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環科研・公衛研まもれ@大阪

橋下維新の大阪市解体(都構想)は許せない!大阪市立 環境科学研究所(環科研)、大阪府立 公衆衛生研究所(公衛研)の統合 · 独法化、反対。メール dokuhou.hantai@gmail.com ツイッター @dokuhou_hantai

大阪市議会(10月2日)ーー「統合で機能強化」の大ウソ

資料(議会質疑、報道など)

 

大阪市議会(10月2日)で3回目の否決がされた時の議事録全文を前記事で掲載しました。

大阪市議会(10月2日)で環科研の廃止条例が否決されたときの議事録 - 環科研・公衛研守れ@大阪

今回は議事録の内容にツッコミを入れて、大阪市と維新会派のウソについて記します。(ちょっと文章固いですが・・・がんばって読んでほしいです。)

 

まず、3回目の条例の提案理由について

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◎上平健康局長

昨年我が国におきましては約70年ぶりにデング熱の国内感染症例が確認され、またエボラ出血熱の感染が疑われる事態や、最近では感染が拡大した中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの流行が韓国で見られるなど、新たな健康危機事象が発生しております。
 国際的に人や物が大量かつ短時間に移動が可能となってきている現在、このような新たな感染症や大規模な食中毒等の広域的な健康危機事象がいつ発生してもおかしくない状況がますます高まってきており、公衆衛生の科学的かつ技術的な中核を担う地方衛生研究所の機能強化がより一層重要になってきております。

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ここまでは、まったくそのとおりです。MERSの流行を受けて、全国の79の地方衛生研究所に検査試薬が配布され、迅速な検査体制がつくられていました。新型感染症など、新たな健康危機事象に対して、迅速な対応ができるのは、地方衛生研究所の研究員が日常の検査、研究を通じて技術継承を積み上げているからにほかなりません。

しかし、現状の各自治体の衛生研究所は、予算削減、専門の常勤研究員の削減、研修の交通費すら支給されないという状況が広がっています。今般の感染症法改正に当たり、厚労省の審議会(2014年3月14日)でも、群馬県の所長から地方衛生研究所の機能低下の状況が詳細に報告されていますが、この5年間で職員は13%、予算は30%削減されているというのです。その結果、「検査技術を有しない」ために検査不能な項目が27%も増えているのです。

第3回 厚生科学審議会感染症部会

感染症対応における地方衛生研究所の現状と課題(PDF:554KB)を見てください。

府立公衆衛生研究所でも、市立環境科学研究所でも、毎年職員が減らされ、欠員が生じているそうです。求められている「機能強化」は、住民の健康を守る機能のためには、欠員をまず補充し、十分な予算を措置することでしょう。

しかし、上平健康局長は、こうした課題に触れず、統合・独法化により「機能強化」できるというのです。

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本市におきましても、環境科学研究所を大阪府立公衆衛生研究所と統合し、府市共同設立による地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所を設立することにより、健康危機事象発生時の迅速かつ正確な対応、機動的かつ効率的な研究所の運営など、機能強化を図っていく必要があると考えており、環境科学研究所条例の廃止につきまして、改めて市会の御判断を仰ぐものでございます。

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なぜ、統合・独法化で「機能強化」が図れるというのでしょうか?維新の会・金子議員の質問に大阪市は次のように説明しています。

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◎宇田健康局環境科学研究所管理課長兼独立行政法人化担当課長 お答えいたします。
 二つの研究所を統合する効果といたしましては、まず統合によって全国最大規模の東京都健康安全研究センターに匹敵する規模と機能を持つ研究所が誕生することで、そのスケールメリットを生かして大規模な感染症、食中毒が発生した場合にその原因を探知し、封じ込めるため、統合により倍増する研究員を集中的に投入し、初動体制を素早く構築することができることが大きいと考えております。

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「統合により倍増する研究員」?これ、ウソとわかって言ってませんか?

組織を統合しても、もちろん研究員が増えるわけではありません。2つの研究所の合計数は変わりません。小学生でもわかる単なるレトリックです。そして、広域的な健康危機事象では、2つの研究所とも大量の検査にあたってきたのであり、組織統合すれば研究員を集中的に投入できるわけはありません。

(補足:2016/2/15 しかも市長与党の維新議員は、「職員はリストラします」「非正規で危機管理に対応」と、明言しており、いまだ発言は撤回されていません。大阪市の説明がウソか、維新議員がウソか、はっきりさせよ。)

「危機管理の要員」をリストラして非常勤で対応?-維新・井戸議員の暴論(その2) - 環科研・公衛研守れ@大阪

 また、組織統合しても施設は統合される予定はありません。環科研は耐震化工事が終わったばかりであり、公衛研は平成30年度中に近隣の健康科学センター内に移転が決まっています。施設統合のスケールメリットもないのです。

次に、維新の金子議員の主張です。

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金子恵美委員

独法化せず現行の直営組織のままでは、例えば年度途中での共同研究の委託など、緊急対応の予算の組み替えができない、高度分析機器の購入のために年度をまたいでの予算化ができない、企業、大学などとの人事交流や短期の要請に応える任期つき研究員を機動的に採用することができない、行政区域外からの検査受託は原則対象外となるなど、迅速かつ柔軟な対応ができないという問題があるということであり、それを解決できる両研究所の統合、独法化を目指すのが至極当然のことではないでしょうか。

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これらの「直営の問題点」は、出所不明のデマでしょう。
まず、年度中での共同研究の委託などは、どの研究所でも通常からしているものでしょう。
逆に、独立行政法人という制度は、自治体から年間の運営交付金が議会で決まり、その枠内で効率的に運営しなさいというものです。
直営組織であれば、緊急対応(たとえば2009年の新型インフルエンザ)には、大量の検査を行うための予算、検査機器を整備するための予算が措置されています。大阪府・大阪市という大きなスケールメリットで対応できたものです。
独法化でより小さな運営交付金の中でやりくりをするほうが、緊急対応は当然厳しくなります。
また、緊急時対応は、日常検査を通じた技術継承がなければできないものです。環科研と公衛研は、膨大な検査の中から、新たな検査手法を開発し、未知の健康危機事件に対応してきました(O-157症例を全国ではじめて報告、雪印低脂肪乳食中毒の原因解明など)。「短期の要請に応える任期つき研究員」を増やしても対応できるものではありません。
(独法化の狙いが、この短期の任期つき研究員を増やして、人件費をカットしていくことにあることを金子議員は証言しているようなものです)
最後の「行政区域外からの検査受託は原則対象外となる」ということも、意味が分かりません。現実に、大阪府の公衛研は、広域の役割として、研究所を持たない中核市(高槻市や豊中市、枚方市)という行政区域外からの検査依頼を受けています。
独法化のメリットとされるものは実際にはデメリットであり、健康危機への対応にはマイナスしかありません。

最後に、橋下市長ですが、もうコメントに値しない内容です。

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◎橋下市長 
 いろいろ担当局のほうから細かな効果、メリット、述べたかと思いますけれども、我々公選職、政治家としては、僕はこの1点に尽きると思うんです。大都市大阪の市民の安心・安全、特に新型の感染症について、この市民の安心・安全を守ろうと思ったときに、大阪市内だけを見ていていいのかってことです。大阪市の境界に壁があるわけでもなく、何かバリアがあるわけでもないんです。感染症対策をやるときに、市会議員は何でこの大阪市内のことばかり見ているのかさっぱりわかりません。都市としては、大阪府域でも一体化しているわけです。関西国際空港から感染症が入ってきた場合に、どこでどのように対応しなければいけないかというと、大阪府域全体でしっかりと対策を講じてこそ初めて大阪市民の安心・安全が守られるわけです。
 どうもこれまでの議論を聞いていますと、大阪市議会議員、維新の会以外の市議会議員は大阪市の境界に本当にバリアか壁があるかのような、何かそんな議論をしていて、本当におかしくてなりません。
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おかしくてならないのは、橋下市長のほうです。これは大阪市不要論そのものです。まじめに市民の安全、感染症対策を考えているわけではありません。
感染症を含む住民の健康危機への対応は、保健所が最前線で担うものです。大阪府には保健所が18カ所あり(大阪府で12か所、大阪市を含む政令市・中核市で6か所)、迅速な対応にあたっていただいています。
大都市大阪での感染症の広がりは、もちろん行政区域での「バリア」などはありません。橋下市長は、保健所を大阪府域で1つにしたらしっかりとした対策がとれるといいたいのでしょうか。もちろんそんなことは言いません。
保健所を1つにしたら、地域が広すぎて、疫学調査などをするにしても迅速な対応はできないからです。
地方衛生研究所も同じことです。なぜ全国に79カ所も各都道府県、政令市に設置されているのか。保健所と一体で迅速に対応するためでしょう。

橋下維新は、リストラのねらいを隠して「統合・独法化は機能強化のため」「職員倍増」の発言をくりかえしているだけなのです。

(補足:2016/2/15 しかも市長与党の維新議員は、「職員はリストラします」「非正規で危機管理に対応」と、明言しており、いまだ発言は撤回されていません。大阪市の説明がウソか、維新議員がウソか、はっきりさせよ。)

「危機管理の要員」をリストラして非常勤で対応?-維新・井戸議員の暴論(その2) - 環科研・公衛研守れ@大阪

2016年2月議会で再度出してきても、維新以外の市会議員のみなさんは再度のNOをつらぬき、否決させてください!

これを読んだみなさんもぜひ反対の声を広げてください。