環科研・公衛研まもれ@大阪

橋下維新の大阪市解体(都構想)は許せない!大阪市立 環境科学研究所(環科研)、大阪府立 公衆衛生研究所(公衛研)の統合 · 独法化、反対。メール dokuhou.hantai@gmail.com ツイッター @dokuhou_hantai

上山信一・大阪府市特別顧問から引用リツイートありました。それに対する公開質問です。

今日、2016年1月20日、大阪府市の特別顧問・上山信一ご本人から、私のツイッターアカウント(環科研・公衛研守れ@大阪)に引用リツイート(3件)がありました。

いやー1市民である私のブログやツイッターまでわざわざ否定しに来られるとは、よっぽど焦られたのでしょうか。

非常に問題ある上山氏のご発言それぞれに、以下、意見&公開質問します。上山さんにはご回答をお願いします。

(少々面倒ですが、「続きを読む」をクリックしてください。)

 

まずは、上山氏からの引用リツイート3件ををまとめて載せます。

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公開質問その1 「これも抵抗勢力の正体」とはどういう意味ですか?

 1つ目のつぶやきの「これも抵抗勢力の正体」って。
この発言自体で、上山さんは「健康危機管理」に対して、理解も関心もないのだな、というのが痛感させられます。

 私がリツイートで紹介したニュースは、「特定接種」と言って、新型インフルエンザ発生時に、お医者さんや対策にあたる公務員などに優先的にワクチン接種することなのですが、その「特定接種」の具体的なシステムを国が開始した、とのニュースです。

「公務員」「優先」というキーワードで、「公務員が自分だけ助かりたくて優先的に接種できる制度を作ったのでは」「既得権だ」と、この分野の詳しいことを知らない人は誤解するのはわかります。

(しかし大阪府市で高給を取っている特別顧問の上山さんがその次元でいいのでしょうか。いいわけがない。)

 

これを読んでいるみなさんには、ぜひ知ってほしいです。

「特定接種」は、感染拡大の防止に従事するお医者さんや職員に、感染が広がると、その機能がダウンしてしまう。住民や社会に大変な影響をもたらしてしまう。

だから、「新型インフルエンザ対策特措法」という法律では、公務員でいうと、保健所や検査部門の職員を「特定接種」の対象としています。

公務員だから誰でも優先接種できるわけでもなく、また、対策にあたる部署の公務員も、ワクチンをそんなに接種したいでしょうか?
新型インフルのワクチンは、副反応リスクも未知で、「自分だけ助かりたいから打つ」種類のものではありません。医療従事者や検査者として誇りをもって、リスクも引き受けて、対応を続ける上で必要だから、接種されているのです。(2009年の新型インフル問題を機に制度が作られました。)

それから、健康危機管理に責任を持つ知事や市長も、「特定接種」の対象です。上山氏のように「得しちゃった」みたいなゆがんだ発想ではなく、「自分が最後まで責任をもって対応するんだ」という気持ちでワクチンを優先接種すべきです。

 
私がそのニュースをリツイートしたのは、環科研・公衛研が独法化され非公務員化されると、制度上は「特定接種」の対象から外れてしまうので、感染拡大を止めるための業務が保証できなくなり、健康危機管理上、大きな問題だ、と言いたかったからです。

別にそこにいる公務員個人のためではありません。

 

大阪以外の自治体や国では、そういった危機管理を考えて、独法化は一切していない。

つまり前例のない問題が生じます。独法化しても「特定接種」を適用するためには国に働きかける必要があるのに、いまだにやっていないでしょう?

このような大きな問題が想定されておらず、府市議会でも一度も議論されていません。

それだけ見ても、この独法化案が、健康危機管理をまじめに考えていないものだと示しています。

 

それを指摘したら、「抵抗勢力の正体」であるとは、どういう意味ですか?

上山さんは、今も大阪府市の特別顧問として高額報酬をもらってるんだから、少しはまじめに考えるべきです。考えて、この意見・質問に答えてください。

 

公開質問その2 「リストラ計画など議論したこともない」ってほんまですか?この質問はさらに3点にわけて質問します。

上山さんのつぶやき2つについて。

「 以下のリストラ計画なる書類は見たことがないし、議論したこともない。機能強化の提案をして財源がないと批判されたことは、あるが、あれがリストラでしょうか? 」

「存在もしなリストラ計画に怯える無理筋の批判は、寂しい限り。議員は噂、伝聞、思い込みで議会質問をすべきではない 」

  

質問① 「噂、伝聞、思い込み」と切り捨てられる議会質問ではなかったのでは?

 

上山さんが指しているのは、2014年2月府議会で民主党・半田議員から「リストラの話もあると聞いている」との質問(※1)のことです。

議員が質問した「リストラ」は、一般的日本語としても、文脈としても、「人員や予算の削減、機能削減」の意味なのは明らかなのですが、大阪府はそれに対して、「統合独法化は」「再構築(=リストラクチャリングの日本語直訳)であり」と答弁(※2)しています。

日本語にたけている大阪府のことなので、機能削減や人員削減(リストラ)の話がないのなら、誤解を解くべく「そんな話はありません」とするだろうに、否定せず、直訳の日本語で言葉をそらしながらですがリストラを認めました。

 

大阪府の答弁がそんなごまかし的なものであったことに加えて、次の質問②のところで詳しく説明するつもりですが、そもそも議員が質問する材料となるべき、その当時の上山特別顧問の活動内容や会議議事録が、松井知事と上山さん本人によって今なお完全非公開にされています。

そんな状況では、議員がもしどこかからリストラ計画の証拠資料を入手できたとしても、出所はなかなか言えないでしょうし、大阪府も事実を非公開として話さないのですから、議会で事実確認をするという民主主義の前提が松井知事と上山さんによって破壊されている状況です。

そんな状況にしておいて、「噂、伝聞、思い込み」と議員への悪口を言うのは、全く公正でないと思います。

 答弁内容からしても、議員の質問はそれなりの痛いところをついていたと見えます、どういう根拠で「噂、伝聞、思い込み」と断定したのですか?単なるレッテルですか?

 いずれにせよ、松井知事と上山さんご自身が、当時の活動内容を議会の意思にしたがって公開すれば、各議員がもっと確信的な質問ができるようになります。

 

(※1)

2014年(H26)2月28日の民主党代表質問・半田実議員

「両研究所のタスクフォース会議において、特別顧問が来られ、中期目標の具体化を目指した議論では、リストラの話もあると聞いており、健康危機事象が起こった時に、研究所が役割を果たせるのか疑問である」

 

(※2)

2014年(H26)2月28日の民主党代表質問・半田実議員の質問に対する、府健康医療部長(高山佳洋氏)の答弁。

「府立公衆衛生研究所についてお答え申し上げます。

 府立公衆衛生研究所は、国の設置要綱や府の条例に基づき、公衆衛生に係る調査研究、試験検査、相談指導などを行っており、特に健康危機事象が発生した際は、原因究明のため、保健所と連携した検査分析と疫学解析を行うこととしております。

 タスクフォース会議においては、昨年十二月から、中期目標を踏まえた新研究所の具体的な方向性について、府民の健康を守る新研究所として求められる機能や将来像、効率的な運営などについて外部委員等による助言を得て幅広く検討しているところでございます。

 今回の統合、独法化は、府・市二つの研究所を地方独立行政法人の運営による一研究所に機能統合する事業の再構築であり、将来にわたり地方衛生研究所として担うべき役割をしっかりと果たしつつ、府域の健康危機事象にも一層的確に対応できるよう取り組んでまいりたいと考えております。」

 

質問② 完全非公開の2013年12月から2014年6月18日までの上山さんの会議内容を公開してはどうですか?

その民主党議員の「リストラの話があったと聞いている」との議会質問が2014年2月28日であり、「リストラ指示」は、2014年12月から2月の過程で、環科研・公衛研統合のタスクフォース会議(府市統合本部に紐づいている会議)の場で特別顧問の誰かから出されたと言われています。しかしながら、それらの期間を含む特別顧問の会議内容は、以下の経緯のように、知事の「再議」を使ってまで完全非公開にされています。上山さんが働きかけて、速やかに公開してくれませんか?そうすれば真偽は明らかになると思います。

 

【経緯】

上山信一氏は、2011(H23)年度から現在も、大阪府市の特別顧問に委嘱されています。1日の報酬5万5000円(通常の審議会委員の5.7倍)で、年間では2012(H 24)年度には約220万円、2013(H25)年度には約170万円が支払われているようです。

(金額は次のHPから引用。http://www.jcp-osakahugikai.com/katudou/2014/20140608.htm )


 このような多額の報酬での活動ですから、当然、市民に情報公開するべき立場にあります。しかし、松井知事と上山氏は、情報公開を全くせず、次々と増えていく数十人もの特別顧問らも含めて、一体税金で何をやっているのかが不透明でした。

それで、2014年(H26)2月議会で、自民党が、特別顧問らがどんな活動をしているかの情報公開を求める「府情報公開条例改正案」を提出し、同年5月に議会で可決されました。

それを、松井知事は「再議」を行使して否決させました。その際、参考人招致された上山氏は「(会議を全て公開にしたら)大阪府が信頼を失い、府政に混乱を招く」と、情報公開に反対しました。

(内容は次のHPを参考にしました。
http://www.sankei.com/west/news/140523/wst1405230008-n1.html )

 

一方、さすがの松井知事もこのままではまずいと思ったのか(「自民党とちがって、すべての意思形成プロセスを公表する」など府民に散々宣伝していましたからね)、翌月の6月19日から、府市統合本部への助言などは大阪府のホームページで事後報告する運用をはじめました。

そこで公開される会議内容は薄いものの、少なくとも2014年6月19日以降からは、上山・特別顧問がいつ来て、誰とどんな会議をしたか、の事実はわかります。

ちなみに、その情報によると、衛生研究所の統合・独法化について、上山氏は毎月のように大阪に来られて議論しています。きっとその以前も毎月のように議論したでしょうね。

(参照 http://www.pref.osaka.lg.jp/kenisomu/komonjisseki_koeiken/index.html )

 

以上の経緯から、完全に非公開になったままの、2013(H25)年12月から、2014年(H26)年6月19日まで(約半年)の上山特別顧問の職務について、少なくとも現在の運用レベルの、日時、場所、出席者、論点、主な意見については公開することに、上山さん自ら賛同してほしいです。

当然、行政組織であれば議事録も作成しているはずですから、議事録・会議資料をそのまま公開してもらうのがベターですし、要約しなくていいので職員のかたの手間も省けるかと思います。


これだけいびつな形での非公開を続けるのであれば、「見たことも、議論したこともない」と言われても信頼はされないでしょう。

公明正大に、議論をオープンにしてください。 

 

質問③ 上記の非公開の情報以外でも、わかることがあります。

 

公開されている上山氏や松井知事の意向からは、議会で説明される統合独法の定款での目的と全く異なることをやろうとしていることは明らかです

以下、時系列にまとめました。

 

【2012年】

以下のとおり、上山さんたちは、府市統合本部会議での統合独法化をめぐる発言(これは議事録が公開されています)で、健康危機管理の検査部門のリストラの話ばかりしていた。

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■2012(H24)年6月5日 第13回会議

・(上山特別顧問)単なる維持管理の機能なので、あえて独法化する必要もなくて、必要最小限の人だけ公務員で残して、あとは徹底的に外注して、全部出してしまう。たとえば職員数人の組織にして、現業的な作業は一切公務員がやる必要がないということで、徹底的な民営化、このどっちかじゃないかなという気がする。

・(橋下市長)そこの、その徹底的な民営化って、そこは、それでできるんですか。

・(上山特別顧問)作業の部分、かなりありますよね、今。

・(木谷特別参与)今でも結構やっていまして、外注して、それを品質管理をするというやり方ですね。

・(橋下市長)検査業務自体は、でも、それは、ここがやるんですね。

・(木谷特別参与)検査業務は民間にやってもらうと。

・(上山特別顧問)さらに、もっと出す。

・(木谷特別参与)さらに、もっともっと。

 

■2012(H24)年9月4日 第16回会議

1年前倒しで「2014年4月」独法化方針を決定した。

・(上山特別顧問)私、これ相当複雑になっちゃってて、問題を切り分けちゃったらいいと思う。短期的には、とにかくさっさと独法化する、外へ出す。とにかくもうそれを最優先にするのがまず1番。2番目に、今、山本所長がおっしゃったような建物の建て替えも含めて、理想的な将来の姿について、環境と公衆衛生の両方について考える。この2つは完全に分断しない限り問題は解けない。今ある建物を前提とする。そして、環農総研の話は横に置いておく。つまり3つ入れるとややこしくなるから。公衛研と環科研はとにかく足す。今ある建物のままにする。その上で、スケジュールは急ぐ。外注できる話は外注すると、つまり民営化する。

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【2013年~2014年】

2013年9月議会
議会に示された法人化の中期目標(案)には、検査業務のリストラの話は無い。中期目標(案)では、「健康危機事象対応能力の強化」が強調され、「試験検査の充実」が謳われている。また、議会での不安の声に対し「機能はそのまま引き継ぐ」と繰り返され、検査業務のリストラの話は打ち消されている。

 

2013年12月~2月
タスクフォース会議でリストラ指示

(上山信一氏は、これでは、めざすような「機能強化」の財源ができないということで、その時期のタスクフォース会議で本来機能のリストラの話を持ち込んでいたのではないでしょうか。だからこそ非公開にしている。)

 

2014年1月28日
府市統合本部会議で、研究所の「機能強化」の具体化が指示されたが、その議論は、次のように、定款及び中期目標(案)とはまったく異なるものだった。

以下、引用。

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2014年(H26)1月28日の府市統合本部会議

○松井知事:いまの公衛研の所長も、機能強化、二つの研究所の機能を統合して機能を強化することが重要だと言っている。この間の医療戦略会議、これも上山先生にいろいろまとめていただいた中で、スマートエイジングシティ等の考え方も出てきていますし、また医薬品の中心地域と言うことで、企業を呼び込む、国へも提言していく。この支えになるのが研究機関ということ。機能強化について、まとめていきたい。

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引用おわり。

松井知事の言う、「この間の医療戦略会議」とは2014年1月10日に開催された医療戦略会議(上山信一座長)のこと。ここで出された「医療戦略提言」では、公衛研は「スマートエイジングバレー構想」の中で、「産業支援機関」と位置付けられた。

 

前述した2012(H24)年6月5日の府市統合本部会議でも、上山信一氏は、衛生研究所について「投資して、地域全体の医療産業のインフラの1つして前向きに考えられる」が、そうでなければ「徹底的な外注化」だと主張しています。

ちなみに、この会議の「統合に向けた提案」では、「全国唯一、生レバーが食せる街・大阪」など、公衆衛生とは真逆の産業支援策の強化が示されています。

この批判については以下のブログが詳しいのでご参照ください

公衆衛生ではなく産業支援?!

http://puhela.jimdo.com/大阪統合-法人化の動き/統合本部関係/公衆衛生ではなく産業支援/

 

 

以上の経緯から、一貫した上山信一氏の態度として、研究所の「検査部門」について口を開くときはリストラ・外注化のことばかり、研究所の「機能強化」については本来の公衆衛生をあまりにも逸脱した「産業支援」のことばかり。これは、定款や議会答弁で説明してきた「公衆衛生の機能強化」とは明白に異なるものです

 

現在の両研究所の機能の予算上の9割以上は、感染症、食品検査などの保健所の行う公衆衛生のための行政検査・研究です。

可決された独法化の定款は、研究所の目的を「住民の健康増進及び生活の安全確保」と定め、業務の範囲を「公衆衛生に係る調査研究、試験検査」として、現在の機能を引き継ぐとしています。中期目標(案)では、健康危機管理の機能強化を図るとしています。

そうであれば、「機能強化」とは、日常検査にかかる人材育成、技術と知見の蓄積、継承に予算を拡充し、保健所との連携を強化することを意味するはずです。

 

上山さんはこれをどのようにお考えでしょうか?全ての情報を公開し、お考えを明らかにして、市会で誠実に議論されるべきではないでしょうか?

 

維新以外の党の議員のみなさんにも、議会の存在意義が問われています。住民が納得のいく、また、健康危機管理に責任のある態度で臨んでくださるように切にお願いします。少なくとも現行案は否決しかありません。