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環科研・公衛研まもれ@大阪

橋下維新の大阪市解体(都構想)は許せない!大阪市立 環境科学研究所(環科研)、大阪府立 公衆衛生研究所(公衛研)の統合 · 独法化、反対。メール dokuhou.hantai@gmail.com ツイッター @dokuhou_hantai

飯田さとし市議(3月10日 大阪市 委員会)一問一答コメント きちっと1つ1つ答えをお待ちしています

議会の動き 大阪維新とTwitter

飯田市議は、「ツイッター、ブログでご意見いただくが、きちっと1つ1つ答えを返せば納得いただける」と議会で発言されていますが、まったく答えになっていないどころか、市側の答弁も自らのウソを暴露してしまいました。 


今日の記事では、前記事(3月10日委員会。大阪維新・飯田市議の質疑の問題解説。 - 環科研・公衛研守れ@大阪 )を前提に、具体的な問題について一問一答にコメントします。

飯田市議、今度こそ”きちっと1つ1つ答え”をお願いします。

 

前記事のおさらい

 (問題点1)大阪市は今日も、2月22日の自民の委員会質問に誠実に答えなかった。かつ、22日の答弁もウソだったことを自己暴露。

(問題点2)大阪維新は、「市長の責務」の本質も、衛生研究所の核となる業務(健康危機対応)も、みすえられていない。

問題点2は、感染症法改正にともなう「市長の責務」に関する飯田市議の質疑から、以下の3点について明らかにしました。

■ポイント1
大阪維新は、「市長の責務」の感染症検査は、国庫補助事業という自治体の関与性の極めて高い事業であるのに、それを知らずに独法組織の裁量でおこなう(運営交付金でおこなう)事業と認識して、「市長の責務」の性質を見誤っている。

■ポイント2
「市長の責務」の検査が、市の「外部委託」(人に頼んでやってもらうこと)の形態をとること自体、命に関わる問題への無責任な対応。

■ポイント3
感染症検査では、衛生研究所が検査方法を開発しながら標準化する(検査標準作業書)。「外部委託」となったら、委託仕様書にあたる「検査標準作業書」を外部委託先の研究員に書かせることになる。それは脱法行為!

 

今日の記事では、上記を前提に、委員会質疑での一問一答にコメントします。

 

(1問目)大阪市が独法組織に検査依頼する担保がない問題

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 大阪維新・飯田さとし市議:

 次に「定款、中期目標が行政の責務を明記していないので、検査を民間に委託することになりかねない」との指摘もでている。これについて見解を伺いたい。

市(宇田課長):
引き続き市の衛生研究所として位置付ける。公共上の見地から確実に実施させる事務として、しっかりと財源を確保して、地独法に依頼する担保としたい。

大阪維新・飯田さとし市議:
前提として、当然だが府共同設置。独法といっても確固たる本市の衛生研究所であり続ける。答弁のとおりかと。

もう1個。例えば民間に委託、検査依頼のとき消費税がのっかってくる、独法であれば運営交付金、当然ですが。きちっと踏まえれば、検査依頼が独法でなく民間にいく話では、そもそもならないのではと思っている。

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この点は、ブログでも指摘してきました。

大阪市が新法人に検査を委託する行政計画や協定などの担保はありません。
費用だけで比較して、部分的に民間検査機関に外注が進むことは必至です。
いくら法人が「検査やります」と言っても、大阪市が委託をしなければ研究所の検査に基づく研究データは集約されず、疫学調査機能は低下するリスクがあります。


市側は、「引き続き市の衛生研究所として位置付けること、公共上の見地から確実に実施させる事務としてしっかりと財源を確保して、地独法に依頼する担保としたい」と言いました。
これ、意味不明ですね。
どこで「市の衛生研究所として位置づけ」がされているでしょうか?

どこにもありません。担保が「ない」。


衛生研究所としてどこにも位置づけもされてませんし、位置づけされていても、法人化してしまえば、地独法人に検査を依頼する担保はないということが問題なのです。ここは財源問題ではありません。


飯田市議がまだ問題を理解されていないなら、繰り返しますが、感染症の検査については国庫補助事業であり、大阪市から地独法人への「委託契約」を結ぶ必要があります。

自治体の契約は、原則として一般競争入札です。

部分的に検査手法が確立されている検査については、費用が安いからと民間に委託していくことも可能です。

そういったことがないためには、条例や協定をつくる必要があります。

しかも、協定をつくってさえも、「外部委託」である限り、競争入札の話は、毎年のように何度でも起きてきます。

実際、4年前に地独法になった大阪府立環境農林水産総合研究所では、地独法1年目から、早くも、協定「研究所が民間企業でやれる分析を随意契約して、民業圧迫していないか」という話が起きています。

「外部組織になる」ということは、そういうことです。

むしろ、それをメリットとして、大阪維新は府市統合本部で地独法化ありきで進めたではないですか。
(関連記事:府市統合本部での暴論(「とにかく」「さくっと」統合独法) - 環科研・公衛研守れ@大阪 )

 


それでは研究所の検査に基づく研究データは集約されず、疫学調査機能は低下するリスクがあると指摘しているのです。

「地独法人に依頼する担保」というのであれば、感染症の検査について確実に随意契約(契約相手を地独法人に限る)とする担保が必要です。そのためには「地独法人に依頼する」と条例レベルで明確化されなければなりません。
ちなみに、大阪府が感染症予防計画を策定中ですが、担保にはなりません。

大阪府が「感染症予防計画」を改定中(環境科学研究所の役割も明確化)。統合・独立行政法人化こそ「修正」が必要 - 環科研・公衛研守れ@大阪

 

(2問目)「統合で職員倍増」がウソだった問題

 

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 大阪維新・飯田さとし市議: 

次に組織の話。単純に組織、2つあります。公衛研、環科研。統合して、単純に研究員がふえるわけでないのは当然かなと。
「健康危機事象が発生したとき、これまでも大量の検体にあたっていたので、集中的に投入できるわけではない。
機能強化はあり得ない、統合しても。」という指摘がありますが、考え方を伺いたい。

市(福田課長):
統合することでトータルが増えるわけではないが、単独とくらべ人員を効果的に割り振れる。重点的にわりふれる手薄の部署は互いに補完し合う。専門が増える分野では一層の機能向上が期待される。

大阪維新・飯田さとし市議:
人員を効果的に割り振れるとのこと。メリットと思う。専門家の層が厚くなる部分、一層の機能強化、これは自明の理。

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大阪市側のウソが自明の理です。前回の議会(2015/10/2)には何と説明していたでしょうか?

◎宇田課長

(統合のメリットは)そのスケールメリットを生かして大規模な感染症、食中毒が発生した場合にその原因を探知し、封じ込めるため、統合により倍増する研究員を集中的に投入し、初動体制を素早く構築することができることが大きい

 「統合により倍増する」と。

飯田市議も、同じことを一貫して言っていましたね。大阪市会で1回目の否決となった委員会(2014/12/17)に、次のように主張しています。

◆飯田哲史委員 統合のメリットでありますが、例えば新型インフルエンザなどの感染症が大阪市内で大規模に発生した場合には、今までであれば環境科学研究所のみで検査を実施してきたものが、統合後は研究員が倍増することから集中的に研究員を投入し、かつ両研究所の検査機器を活用して健康危機事象に迅速に対応することが可能となります。

「統合により倍増する」と。

このように維新会派も、大阪市側も、「最大の統合メリット」としてきたのが「職員倍増」という説明でした。

それを今回の質疑で、「統合によりトータルが増えるわけではない」と、もろくも取り下げてしまいました。あきれてものも言えません。とても不真面目な説明を繰り返してきたことを謝罪するならともかく。

「統合により職員倍増」というのは、単純なウソでした。飯田市議が例に挙げたような、新型インフルエンザなどの感染症が、「大阪市内だけ大流行」ということを想定すれば、府立公衆衛生研究所の研究員も対応に動員できるなら「職員倍増」です。

ですが、そんな「大阪市内だけ大流行」なんてありえないのは自明の理。単純なウソだったのです。

ウソを取り下げた以外の「層が厚く」「重点的にわりふり」など、抽象的で具体性はまったくありません。直営のままの行政同士であれば、大阪市と大阪府の危機対応時の協定などで十分に対応可能でしょう。

まずは、公明党の山田市議が指摘してきたように、大阪市が極端に研究員を削減し(58%に削減してしまった)、研究員の層を薄くしてしまっていることを何とかしないといけないのです。

「層が厚く」なるわけないでしょう。

 

(3問目)「独法化で健康のための検査が切り捨てられる」問題

 

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次に、「独法化されると、効率化のため健康のための検査が「ムダ」と認識されてしまう」という指摘。
「成果の見えにくい調査研究をやめたり縮減したり、職員の非正規雇用化による人件費のカット、あげく新興感染症への対応ができないリスク」。これらが考えられるがこの点の見解を伺いたい。

市(福田課長):
先般の民生保健委員会でも、コスト縮減ではなく機能強化のためと答弁したところ。
十分に発揮できる体制でおこなってまいりたい。

大阪維新・飯田さとし市議:
市長も代表質問で明確におっしゃっていたが、いいところを寄せ集めておこなう。コストカットのためではない。裏返せば運営交付金をしっかりつけ、担保する。

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・・・この質疑もひどい。

なにが「コスト縮減ではなく機能強化のため」か。

「コスト縮減ではない」と言うなら、なぜ独法化するんですか?

このブログで、『独立行政法人は、限られた運営交付金の中で、「自由な裁量」で効率的な業務を行うことが求められます。検査業務は、やればやるほど赤字になります。行政からの依頼にこたえるため、法人は成果の見えにくい調査研究を縮減したり、非正規化によって人件費をカットしていくことになります。その結果、いざ新興感染症などの対応が必要な際には、その機能が失われていたというリスクがあります。』と指摘してきました。

飯田市議が紹介していた点は、まったくブログのままですが、それはまさに「独立行政法人の問題点」そのものなのです。
地方独立行政法人は、自治体が本来行ってきた業務を「効率的に行わせることを目的」(地方独立行政法人法)としたものです。

 

そもそも府市統合本部会議では、「検査は外注」「選択と集中」のために独立行政法人という経営形態が決定されたものです。コストカットして、新たな産業支援に人員と財源を回そうというものでした。

前回の大阪市議会(2015/10/2の委員会)では、維新の金子市議は、「短期の要請に応える任期つき研究員を機動的に採用することができない」ことが直営組織のデメリットである、すなわち、独法化して任期つき研究員(非正規雇用化のことだ)を増やすことが独法化のメリットであると言っているではありませんか。

極めつけが、維新の井戸議員です。「職員はリストラします」「流動的職員を増やす」「検査は外注化」と言い続けています。

自民市議団のみなさまへー井戸市議のリストラ発言を放置して賛成するのですか?統合は機能強化が前提です。 - 環科研・公衛研守れ@大阪

「コスト縮減ではない」と言うなら、なぜ独法化するんですか?

リストラの狙いをごまかすんじゃない。

 

(4問目)「予算のスケールメリットがなくなる」問題

 

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大阪維新・飯田さとし市議:

次、最後。「新型インフル等の健康危機管理で大量の検体をさばく必要がある。今は大阪市のどんぶりの予算のなかで緊急対応できる。法人になると法人の小さな予算の中でやらなければならない。そうなると他をカットしなければいけない」との危惧。これへの見解を伺いたい。

市(福田課長):
年度中の軽微な変更は当該年度の予算のなかで行うが、新型インフル等、市民の健康にかかわる事象では補正予算等で予算を組むことになると思われる。

大阪維新・飯田さとし市議:
まさにそうだと思う。補正予算を、議会を開ける状況なら開いて通していく。
危機事象が起きたときに、開催いやや、議決しない、そんなことは絶対ありえない。
緊急時は市長に専決権も担保されているので、緊急時にはとおすこともできる。
独法のなかでやりくり、ということではないのも自明の理かなと思っている。

以上6問の質疑をした。
当然のことを確認していく必要があると感じている。

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飯田市議は、正確にブログの指摘を引用してもらっています。

市側は「補正予算を組む」と説明しますが、大阪市の健康局のお財布(予備費)の範囲内でまかなえたものも、わざわざ議会での補正予算化が必要となるのであれば、それは明白な法人化によるデメリットです。

健康危機事象への迅速な対応が、衛生研究所の核となる業務です。その根本の財源問題で大きなデメリットがあるのです。

それから、市側は「軽微な変更は当該年度の予算のなかで行うがと言います。どんなことが軽微な変更の範囲内でしょうか。ここが大事な点です。

感染症の検査は国庫補助に該当するものは委託料ですが、その他の事例で言いますと、冷凍ギョーザ事件などでも、大量検体をさばいていくために、検査試料などの材料費、時間外や休日の人件費が急増します。こうした危機事象は、じっさい、数年おきに発生していますね。

そのたびに研究所側は、「当初の運営交付金の中では厳しい。補正予算をつけてくれないか」と大阪市の健康局に求めるとします。

健康局がまず言うのは、「法人の予算の中でやりくりできませんか。できない根拠資料がないと財政に言っても話になりません」ということです。当たり前です。

いままでは、健康局のなかでの予備費(緊急対応のための予算)などでの執行も可能でしたが、運営交付金に回すことはできません。軽微な変更なんだから、法人の枠内でやれと言われてしまうのです。


自明の理です。


行政組織から切り離し、自律的運営をするということは、そういうことです。

行政の責任である健康危機管理にはふさわしくない組織形態なのです。

 

(5問目)「やっぱり飯田さとし市議は衛生研究所の機能がわかっていなかった」問題

大阪維新・飯田さとし市議:

健康危機事象が発生したら患者は病院にいく。公立か民間病院か。大阪で独法の病院ありましたかね。
いずれにしても公立、民間であろうとしっかりと見ていただく。その症状を確定されるために検査がおこなわれる。
検査機関が独法か直営かで差はない。要領、要綱にもとづいておこなわれる。
独法になってしまったら、病院も本市と関わりがないかというと、組織は変わったが、関わりはある。
交付金も、議会で議論できる。
私たちが市民の代表として議論する。きちっとした組織の関係性が、独法になったからと立たれるわけではない。
明確になるだけかと。安全でなくなるわけではない。
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飯田市議が言っている主旨は「患者は病院に行って検査を受けるが、検査機関が民間でも公立でも同じじゃないか。衛生研究所も同じだ」ということです。


違います。


地方衛生研究所の機能は、感染症で言うと、患者の医療の提供のためではなく、感染拡大の防止が、一番の目的です。

そのために保健所が患者の接触者調査を行い、検体を採取し、検査を研究所が行います。就業制限や入院勧告・措置のあり得る感染症であれば、患者と特定されると、そのような措置を強制的に受けます。

つまり公権力の行使と一体の検査なのです。病院と別の役割なんですよ。

また、政策判断に直結した役割を担います。
検査においては遺伝子解析などを通じて感染経路の究明を行って、市長の政策判断の根拠を与えます。
たとえば、新型インフルエンザで学校を閉鎖するのか、民間会社の業務中断を求めるなど社会経済に重大な影響を与えるものです。 

違うものをいっしょくたに議論してもダメですよ。

 

以上、前回の記事と今回の記事で、感染症法の「市長の責務」は、独法化では果たせないことがハッキリしました。

 

飯田さん、お答えお持ちしています。