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環科研・公衛研まもれ@大阪

橋下維新の大阪市解体(都構想)は許せない!大阪市立 環境科学研究所(環科研)、大阪府立 公衆衛生研究所(公衛研)の統合 · 独法化、反対。メール dokuhou.hantai@gmail.com ツイッター @dokuhou_hantai

【声明】このまま可決されたら、総務省認可に差し止め訴訟を行います。3/22 大阪市議会 委員会 自民・公明・共産の質疑

議会の動き 資料(議会質疑、報道など)

本日(3/22)、大阪市議会・民生保健委員会で、環境科学研究所と公衆衛生研究所の統合・独立行政法人化(議題100、101、166号)について集中審議が行われました。

結論は採決保留。(「本日は態度決定をおこなわない。この取り扱いについては、今後各派代表者会議で協議」。)

きわめて異常な事態です。前代未聞です。

3月29日の本会議までに、急きょ、委員会を開いて可決に持ち込むんでしょうか??


すでに自民党、共産党はきっぱり反対を表明されました。

公明党は、何を遠慮しているんでしょうか?

 

吉村市長の説明は、①環科研の財産が独法に移管されること、②公明党がこれまで主張してきた「衛生と環境を切り離さず機能充実を」とはまったく相容れない衛生分野の統合・独法ありきです。

これを認めることは、昨年5月の住民投票で否決した大阪市解体を認めることです。

公明党は「総合区」の検討を副首都会議で行うとしていますが、その検討の前に、衛生研究所だけ統合・独法化する理由はありません。

質疑では、あらたに「協定書」を大阪市と独法が締結することで、大阪市から独法への検査依頼の担保をつくるとの説明が出されました。また、「独法」の問題点にはほとんど答えられず、「統合」の破たんしたロジックを繰り返しています。

以下、議事録にコメントを付けますが、「協定書」はまったく無意味です。

このまま可決されるならば、 大阪市の理事者、おおさか維新、賛成した議員には、責任を負わせます。

仮に可決したならば、9月議会で「中期目標」の審議、それから総務省への認可申請とステップが進みますが、絶対に阻止するためにあらゆる法的手段も行使します。具体的には、総務省の認可について「差し止め訴訟」の準備を進めています。

大阪市の理事者、賛成した議員には、法廷に出てもらいましょう。

すでに弁護士には相談していますが、ひろく共同弁護団を募集します。水道やバス、地下鉄民営化反対の方々ともタイアップして、都構想を進めさせない運動として位置付けたいです。

公明党の会派の皆様、杉田市議さま、今回の大阪市側の答弁では、市民の命を守る担保にはなっていないことは十分わかっていらっしゃると思います。

少なくとも、賛成はしないでください。

継続審議でも構いません。そのときは、次の議会のなかで、この議案の破たんをより明らかにしていきましょう。

 

===

自民・西川ひろじ市議:

自民党の西川です。

まず、予算質疑で尋ねましたが、今回上程された議案は、これまで否決されてきたものとまったく同じです。反則ではないかといったが、審議中に追加提案がされた。

3月1日の本会議で、衛生と環境に分離するセンターの直営設立議案が急きょ上程された。タイミングは本当に驚いた。すべての議案があんなやりかたでは議会も混乱する。考えてほしい。

繰り返すが、いまの環科研は、すべての都道府県、政令市、そして中核市にも設置が求められれている地方衛生研究所である。

新型インフルエンザ、デング熱、ジカ熱などの新興感染症への対策が問われている。また結核、O-157などの食中毒、農薬混入事件、食品、放射能、水道、アスベストなど健康にかかわる検査をおおなっている。

そのうえに、PM2.5、ヒートアイランド、水質土壌、廃棄物など、大都市である大阪市の環境問題の研究など、よく頑張っておられる。

これらの課題に尽力することは、大阪市の行政責任。この上なく重要である。

環境と衛生の機能を併せ持つ強みを生かしてこそ、命と健康をまもることが出来る

本委員会では、機能強化という言葉が頻繁に出されているが、追加議案は、環境と衛生の分離であり、機能強化とはまったく相反する。バラバラにすることは機能低下につながらないか。

 

市(宇田課長):

地衛研としての重要性から機能強化が図れるよう取り組んできた。環境分野についても、これまでの役割を重視し、直営で残すこととした。さらに設置場所も現在の環科研の場所とし、衛生分野との連携を効果的に行うもので、トータルとして機能強化となる。

(※ コメント)環境と衛生をわざわざ分離することについて触れない。回答になっていません。

 

自民・西川ひろじ市議:

吉村市長はお体大事に。大変でしたでしょ。自民党はこう思ってると本音を申し上げたい。

宇田さんから、返答あったが、これまで果たしてきた役割を重視して、直営でというなら、新型インフルや、冷凍餃子、衛生分野もがんばってきたのではないですか。今の時代、サーズ、マーズなど感染症も大事ではないですか。環境分野だけ残すのはまったく説得力ない。

つぎに健康危機管理体制のためには、すぐに効果が出るものだけではなく、いざというときに、大きな力を発揮する部分が必要である。試薬の準備、研修など技術の研さん。無用のようだが、研ぎ澄まされた感覚、英知、努力が必要である。一見無駄と思われることも絶対必要であり、予算削減のターゲットにしてはならない。独法とは効率化を目的とするものであり、人員、予算を徹底的に無駄をなくすものであり、地衛研を独法化はそぐわない。「独法化になじまない」は飯田先生が使わないでと言われたが、健康危機管理にはそぐわないのでないですか。

市(宇田課長):

健康危機管理のために試薬を準備し、研究を行うことは重要だが、効率性の高い発注方式などで耐用年数を伸ばす、地道に努力を重ねて無駄を省くことは当然。直営であっても独法でも同じ。むしろ独法になることで、組織運営の自由度が高まり、組織目標に向け一丸となって取り組む大きなメリット。定款の役割は定款でも中期目標でも記載することにしており健康危機管理は法人の大切な役割と位置づけている。


(※コメント)

・直営でも同じというが、それは大阪市が予算も人員も削減して機能を低下させてきたことの開き直りである。

・独法なら、なぜ「組織目標に向かって一丸となる」のか。意味不明。直営でなぜできないのか。

 

自民・西川ひろじ市議:

繰り返すが、全国の80カ所はすべて直営であることをもう一度申し上げたい。横浜市も独法化を検討したが、なじまないとの結論となった。同様の判断をされたところは他にもあって、福岡市、北海道、東京都、そして国立感染症研究所も。国や東京都が独法化を検討したが、なぜなじまないとなったのか、調べたのか、どう思うのか。

 

市(宇田課長):

研究所が地独法人化の対象となり、柔軟な運営ができることから、横浜市、福岡市、北海道などで検討されましたが、地方衛生研究所の、公権力行使の科学的根拠を与える役割や、施策と密接な関係を持つ政策的な役割を担っていること、希少な感染症ウイルスの検査業務を担っていることや、緊急を要する業務であることなどから、地方独立行政法人化を断念されている。さらに国立感染症研究所は、国の重大な危機管理に直結する業務を行っているため、独立行政法人化されていないと伺っている。

一方、厚生労働省としては、関係法令に照らし、まずは設立しようとする地方公共団体が判断するものであり、地方衛生研究所が担っている機能が十分に維持されるよう配慮すべきものであるとしております。

国への認可申請は今後行っていくことになるが、健康局としては、両研究所の統合独法化により機能強化ができることをこれまでもご説明しているところであり、法人化することは問題がないと考えている。

 

自民・西川ひろじ市議:

東京都などでは、「公権力行使の科学的根拠」「希少なウイルスに関する検査業務」「緊急を要する業務である」ことから、独法にはしていないということである。これ大阪市の保健所も一緒じゃないですか検査結果をもとに入院してもらわないといけないし、食中毒なら行政処分することになる。警察に科捜研があるように、保健所に環科研がいるのではないでしょうか。

(※コメント)まったくそのとおり!しかし、宇田課長は、「どう思うか」についてまったく答えていない。「地方公共団体の判断」であり、可能だと言うだけで、地方公共団体としてどう思うのか、どう判断するのかなにも責任持った発言がない。

自民・西川ひろじ市議:

吉村市長、これはどうでしょうか。全国の衛生研究所も、国立感染症研究所もすべて直営であり、独法化も検討したところもそうはしていない。この現実について市長のご見解をお願いしたい。

 

吉村大阪市長:

まず、国や横浜市において、直営の研究所を独法化を検討して、それぞれの判断で断念されたという報告は受けている。いっぽうで、厚生労働省は地方衛生研究所を独法化するかどうかは地方の判断との認識を示している。独法化の法律でも研究所をその対象としている。特にエリアの問題もある。狭い大阪の中で、大阪市域内の市の環科研と、府の公衛研が存在する。非常に都市化が進んでいることを考えると、やはり機能統合をするというのは、地形と言うか、都市の現状を見ると、統合することが公衆衛生レベルを上げることと思っている。そうした意味で、環科研と公衛研を統合し、府と共同して、地方独法にし、それによって本来の衛生研究所の役割も果たしながら、市域内、市域外に関わらず、衛生研究の効果、レベルを上げていくそういうメリットがあるものとして、推進していくと判断している。


(※コメント)

吉村市長の答弁は支離滅裂。

「独法化」について聞かれているのに、「統合のメリット」を答えても無意味です。「独法化」について逃げずに自分の考えを答えろ!

なぜ「直営での統合」を検討しないのか?答えられますか?

京都市と京都府はやっていますよ。

なぜ独法化なんですか?

公権力行使の科学的根拠を与える役割や、施策と密接な関係を持つ政策的な役割を担っていること、希少な感染症ウイルスの検査業務を担っていることや、緊急を要する業務であること」について独法化が適しているのか、まったく答えていない。答えられない。ここで踏み込んで追及してほしい。

 

自民・西川ひろじ市議:

先ほどの質疑の中でも出ていた国の判断と言うものをもう一度深読みしていただきたい。国の考えは、この4月に施行される感染症法改正を見ても、明らかに各都市の責務を重くしていっていると思う。もっと強化してほしいと。そのためにはどうしたらいいか、市長にも考えていただきたい。

もう1点ですが、府と共同で設立するということだが、先日の杉田副委員長(民生保健委員会副委員長)のご質疑で、独法化された法人には知事が任命された理事長がいる、緊急時に意見が分かれたらどうなるんだとご質問があった。市長は、たとえ意見が分かれたとしても市長として命令を出すと明言された。なかなか頼もしい。しかし、じゃあ理事長はなんなんやという疑問が残っている。府と市が大きな責任を負っていて、それぞれが先にこれをやれということにならないか。

先日、府立産業技術総合研究所に視察に行ったときに、理事長にお話を伺ったが、立派な理事長で、はっきりと「独法の意義は、自律と自由です」とはっきりおっしゃっていた。市民の命と健康を、まさに暮らしの根本を支える環科研は、これ、「自由」では困るなあと、とんでもないことになったらどうなるんか。あってはならない健康危機事象を引き起こしておいて、「それ見たことか」ではすまないわけです。命がかかっているので、それでやかましく申し上げている。大丈夫か、大丈夫かと聞いてきた。

今回の追加条例は、環境部門に限って直営で残すものですが、衛生分野も同等以上に重要と考えますが、市長は衛生分野を直営でとはお考えにならないか。

 

吉村大阪市長:

まさに、命をあずかる分野だからこそ、機能強化を果たしていかないといけないと考えております。たとえば大阪市域で新型インフルエンザや大規模食中毒などの健康危機事象が発生した場合ですが、統合によりまして、現在の環科研と比べて、研究員も倍増するわけですから、そこに集中的に投入するなどして、感染経路や原因の特定などを速やかに行う、それがまさに衛生研究所に求められている役割ですから、それをすることで感染拡大を防ぐことができる。まさに命をまもることだからこそ、狭い大阪で、公衆衛生レベルを上げることが出来るのかを考えなければならないと思います。その意味で、目的とすることは委員と同じかも知れませんが、手段としては、府が持っている研究所と統合することがつながると考えている。


(※コメント)

・独法化は機能強化にならない。西川市議の言うとおり、独法の意義は「自律と自由」 にある。吉村市長は、またしても「独法」の問題には答えず、「統合」のメリットを説明する。

 いい加減にせーよ。「独法」の問題に答えろ!逃げるな!

・「統合」のメリットとしても、またしても「研究員が倍増」と言っている。いい加減にしろ!例に出した新型インフルエンザなどで、どうして大阪市域だけで流行が起こると想定できるのか?2009年の新型インフルエンザ流行時でも、大阪市域に関係なく、関西エリアで感染が拡大しています。大阪市域の検査に「集中的に投入」など、ありえません。ぜったいにあり得ません。公衛研の研究員は引き続き、府域の検査にいっぱいいっぱいであり、研究員は倍増しません。「統合」のメリットはありません。


実際、3月10日の飯田市議(維新)の質疑では、
「統合することでトータルが増えるわけではない」と宇田課長は答弁したではないですか。

だれも市長答弁を修正しないんですか。どうなってんねん(怒)。

 

自民・西川ひろじ市議:

統合するメリットがあるからということは、これは委員会でもずいぶん揉まれましたが、勉強すればするほど心配になる。著名な先生方の文献を見ても、全国の様子を見ても、府の財政を見ても、もっと心配になる。市長は「1+1は、5にも10にもなる」とご説明されるが、どうかんがえても、1+1は1.5くらいじゃないか。下手したら大阪市民にとっては1以下になるんじゃないか。命と健康がかかっていますので、よく考えていただきたいとお願いして質問を終わる。


(※コメント)

自民党は明確に反対を表明されました。つづいて注目の公明党です。

 

杉田忠裕委員(公明党)

公明党の杉田です。

市立環境科学研究所と府立公衆衛生研究所の統合については、3月14日の予算委員会の場で、両研究所の人員や予算が減り続ける中で、統合による機能強化ということが本当に実現できるのか危惧される。西川先生からもお話ありましたが、そのように述べた。

また、府市の負担額は、現状の予算ベースで、11:9の割合であり、今回追加上程された「大阪市立環境科学研究センター」が実現された場合は、この差はもっと広がるとしたうえで、府市が現状の割合で確実に負担する制度的な担保が必要と申し上げた。それに対して理事者からは、議決済みの統合法人の定款や、今後提出予定の中期目標についても、議会の議決を得るので、その実現に向けて、大阪市、大阪府とも責任があるので大丈夫とということであったが心配である。あらためて市長からもご答弁をお願いしたい。

 

吉村大阪市長:

まず、理事者が答弁したのは市長としてもその通りであるが、さらに今後とも、統合研究所への大阪市の財政負担が、環科研の現在の予算額をベースにして、応分負担を確保するよう配慮したい。府の知事にも同じように配慮されるようしっかり要請したい。

 

公明・杉田市議:

府に要請されるとのことだが。再度。人事予算は減らさないということを含めて、府知事に確約取ると理解していいか。

 

吉村大阪市長:

コスト削減ではないので、当初出発するときに人事予算が減るのはおかしい話ですので、府知事にしっかりと確約を取っていきます。


(※ コメント)

杉田市議が求めた「制度的な担保」にはまったく答えていません。松井知事と吉村市長が確約しても、それは単なる口約束で、「制度的な担保」にはなりえません。しかも、吉村市長は「出発するときに」としており、将来にわたる確約は取る気もない。

杉田議員、まさかこれだけで納得できないですよね。

 

公明・杉田市議:

11:9の比率(府と市の財政負担の比率)も忘れないでください。

続いて、これも先日、3月14日の委員会でお尋ねした件だが、十分な答弁でなかったので再度伺う。環科研にある高価な機器は市民の貴重な財産である。このうちセンターが使用する機器は、全て市立のセンターの所有とすべきと指摘した。市長から「独法と共用するものもあり、事務的な仕分けを局に指示する」とあった。どう整理したか市長に伺う。

 

吉村大阪市長:

環境分野で使用する機器は本市の所有となる。衛生と共用するものは、機器の保守点検も含めて精度管理が求められるので独法に承継する必要があるが、センターが無償で使用できるとするようにします。また共用する際の利用の調整に関しても、センターと独法の間で協定書を結んで必要な事項を規定していくという方向で、 府と協議していく。


(※コメント) 市民の貴重な財産について、衛生分野と共用するものは「独法の所有」とすると。つまり、売り渡しです。

 

公明・杉田市議:

センターが使用するところは無償で使用できるということですね。市立のセンターが新しく出来れば、今まで環境で使う分野はそのままセンターの所有にすると。共用している部分については、独法の所有になるが、衛生の分野は市立のセンターが無償で使用でき、保守点検は独法で、ということですね。

もう1つ伺うが、環科研に視察に行ったが、環境分野は6-7階、新しいセンターの拠点となるところ。不動産は独法に行くと思うが、不動産の無償使用も同じ考え方でいいか。

 

吉村大阪市長:

それも当然同じ考え方で無償で使用ということで進めていきたいと思っている。

 

公明・杉田市議:

はっきりと答弁されたので再度確認したい。運営上支障のないように、市長の責任で、独法と協定書を締結していくのか?先ほどは、府と協議していくとあったが、協議ではダメなんです。きちっと市長の責任で協定書を締結していくのかどうか。

 

吉村大阪市長:

市長の責任で、建物・設備の使用については協定書を締結します。

 

公明・杉田市議:

市長の責任で独法と協定書を締結すると理解できた。


(※コメント)

ちょっと待ってください!不動産や設備の使用についての取り決め(協定)は、当然結ぶでしょう。だからなんなんですか??

公明党は、「衛生と環境を持ち合わせることが強み。切りはなさず、機能充実すべき」と一貫して、衛生と環境の分離に反対してきました。

(以下の記事で公明の主張は読めます:

大阪市議会(10月2日)で環科研の廃止条例が否決されたときの議事録 - 環科研・公衛研守れ@大阪

本日(2月22日)、大阪市議会 委員会。採決保留。公明・山田市議の反対討論をピックアップ。 - 環科研・公衛研守れ@大阪 )

 

これはどうなったんですか??公明党は「切り離さず、機能充実すべき」という意見はいつ取り下げたんですか?

 

公明・杉田市議:

つづいて、感染症法の一部改正について。一部改正がこの4月1日に施行される。海外でで健康危機を引き起こしてきたエボラ、デング、ジカ熱など、国内の平常時でも気を付けるべき結核、O-157、ノロ、鳥インフルなど感染症の発生が続発している。海外との交流が飛躍的に増えている。

感染症の発生動向調査について、市長が必要と認めるときは、検体採取を求めることができる。採取した検体の検査について、法改正で市長が責務を負うことになった。衛生研究所の感染症検査は市長の責務と法律でうたっている。

そこで、独法が、仮に発足した場合、こうした検査を大阪市の直営でない独法の研究所に必ず依頼する担保がないと、市民の健康をまもる市長の責務がまっとうできない。どのように担保するのか。

 

吉村大阪市長:

独法は、その定款において、大阪市の地衛研との位置づけをしっかりしている。直営の環科研の時とおなじように、当然のことながら、大阪市として必要な検査・調査は依頼していく。また、大阪市の行政検査に必要な財源も確保していく。また、大阪市と独法の間で、検査を依頼していくことについて協定書も締結して、大阪市として必ず独法に依頼し、独法にも依頼を受ける責務を負わせて、万全を期していく


(※コメント) 

あらたに、これまでなかった「協定書」という答弁がされています。

あとで共産党の井上市議が発言していますが、「協定書」なるものは、議会の審議にかけられません。市長のフリーハンドにゆだねることです。市民の命と健康にかかわる問題について、市長にゆだねて、議会の責任が果たせるのか。

何の検査について「必ず独法に依頼」するんですか?何も示されてないじゃないですか。

環科研の業務のうち、93%が大阪市からの行政依頼検査等です。そのすべてを「協定書」で担保できるのですか?

協定書というのは、制度的な担保ではありません。制度的な担保を求めるのであれば、条例にすべきです。協定書は、ときの市長の意向で、議会のチェックも受けずに、いくらでも変更可能です。何の担保にもなりません。

 

公明・杉田市議:

これもきちっと協定書を交わしていくとの答弁だった。万全を期していくとの答弁だった。

続いて、聞くところによると、感染症の発生動向調査の一環で、検査は、国庫補助事業として国から補助金が出ると聞いている。独法化したら、当然、随意契約になりますよね。随意契約で依頼する問題はないのか、念のためにお伺いする。

 

市(宇田課長):

委員ご指摘の点については、問題がないと考えている。

 

公明・杉田市議:

問題がないということですね。


(※コメント)

これも、ちょっと待ってください。「問題がない」という理事者の答弁で済ませられるはずがありません。

そもそも、2013年の「定款」の審議の際も、「問題ない」との理事者答弁が繰り返されて可決しましたよね。そのあとに、つぎつぎと問題が明らかになって、自民も公明も反対に回ってきたはずです。またしても「問題ない」の答弁で納得できるはずがありません。

感染症の国庫補助事業については、私のブログで指摘してきたとおり、運営交付金とは別の委託契約になります。委託契約は、一般競争入札が原則です。

大阪市は、随意契約は原則行わないとしています(大阪市市政 大阪市随意契約ガイドライン)。市長の口約束ならば、いくらでも随意契約が可能なわけがありません。

大阪市のガイドラインには次のように書いてあります。

「随意契約の制限に関するこれら法律違反して 締結した効力は、無効になる場合がある。また、当該事務に関わった職員は懲戒処分の対象となるばかりでく、民事上の責任さらには刑事上の責任を問われる場合があります。」

詳しくは別に述べたいと思いますが、大阪市と独法との「協定書」は、随意契約理由に堪えられません。住民監査請求しますよ。耐えられますか?いったいどの項目で随意契約が可能でしょうか?担当職員の処分に関わることですから、あいまいにはできません。

 

公明・杉田市議:

次に新設センターの条例案について伺う。3月14日に質疑したが、新設センターが独法と環科研の建物に同居することから、健康危機事象が発生した場合にとどまらず、平常時の結核や0157、ノロウイルスなどの感染症が続発していることから、市長が指示を必要とした場合には、指揮命令系統が、センターと独法の2系統にわかれ、対応が遅れることがあってはならない。理事者からは、定款12条で緊急時は市長の判断に従うと説明があったが、明らかにこれは不十分である。 健康危機事象があった場合や、それ以外に、市長が必要と認めるとき、センターも独法も、市長の指示のもとに、十分に対処とハッキリさせることが必要と考える。

 

吉村大阪市長:

緊急の危機の場合だけでなく、市民の安全を守る必要があると判断した場合、その緊急の危機かどうか区分けと言うのは現実には判断難しいことがある、そういったとき市長の責務として、センターと独法に十分な指示をしていくこと、委員のいうとおり。 実際の対応にあたって、齟齬が出ることがないように、市と独法で協定書を締結する方向で、府と協議していきたい。委員のご指摘の点ははっきり見えるよう示していきたい。


(※コメント)

 3月14日の吉村市長の答弁では、「平時は独法の判断、責任となるが、緊急時は市長が指示する」との答弁があり、このブログで「大問題」と指摘しました。

(そのブログ記事はこちら:本日は公明・杉田市議。大阪市委員会 環境科学研究所の統合・独法化についての質疑。(3月14日) - 環科研・公衛研守れ@大阪 )

今回の杉田市議の質疑は、それを受けて修正するものとなっています。

要するに、「平時」も市長が指示をしていくということです。

しかし、考えていただきたいのですが、「指示」すれば責任は果たせますか?

感染症法で規定する「市長の責務」が独法化では果たせない点を次の記事で3点指摘しています:

ヤマ場まであと2日【3/19毎日新聞】環科研・公衛研/統合、大阪市議会審議大詰め 機能強化?先細り?ーー論点整理を補足します - 環科研・公衛研守れ@大阪


3点とは以下です。
===
①大阪市が、独法に検査を依頼する担保がなく、民間委託が進めば技術レベルが低下する(→機能強化のためには、独法への随意契約にする理由になる条例化が必要)

②独法への委託契約の形態では、改正感染症法で規定された、標準作業書の作成など検査の質の確保について、大阪市として責任が取れない

③独法への委託契約の形態では、仕様書に縛られ、迅速な情報共有などに制限がかかる

===

①について、「協定書」を締結するという約束がありましたが、すでに述べたようにそれは議会のチェックもなく、いつでも修正可能で担保にはなりません。なんで議会でチェックできる条例化としないんですか?

そして、②、③についてまったく審議がされていません。感染症法改正の核心は、検査の質の確保です。協定を結ぶだけでは、質の確保について市長の責務は果たせません。

 

公明・杉田市議:

はっきり見える形ということで我々が安心できる形で示されるということですね。 市長とやり取り何度となくさせてもらった。現段階での見解を表明させていただく。環科研と公衛研の統合についてわが会派としては、これまで環科研が担ってきた市民の健康をまもるという重要な役割が、しっかりと維持されるのかという観点から、これまでの市会の質疑において、様々な懸念を指摘してきた。本日、改めてこの点について必要な財源確保、事務執行体制の確立について、大阪府と協議をしながら万全の態勢を構築していくという答弁であった。これまでの我が会派の指摘を受けて、市長をはじめ、理事者として大阪府と調整して、市が懸念を払しょくされる努力をされるということ。まさに市民の健康をまもる市長としての責務をしっかり果たす表明をいただいたということで、一定評価している。

今後、府とのあいだで応分の財源確保のための手法や、独法との間の協定書の締結について、具体的協議に入られるということである。市長の思いは評価するが、ただし、府の財政を考えると将来にわたって応分の負担に耐えられるのか疑念がある。 市民の健康確保という環科研が担ってきた役割の重要性を考えると、将来の財政負担や、独法との間での協定書の内容など、大阪府との協議など今後の状況をみながら、なお慎重に検討することを申し上げて質疑を終わらせてもらう。


(※コメント)

 「安心できる形」とは、上記の「市長の責務」が独法化では果たせない3点(①~③)をクリアすること以外にありません。それは「委託」では無理なんです。そこまでして、独法化にこだわる理由はありますか? 

 統合のメリットにこだわるなら、なんで「直営での統合」を検討しないのですか?

結局、独法化によるリストラが狙いなんだと言わざる得ません。

 

共産党・井上浩市議:

日本共産との井上です。何回目の議論かと思いますが、これを最後にしたい。これだけ問題が浮き彫りになっており、強行することは絶対にあってはならない。コストの削減ではないとか、機能強化を図るんだということですが、ここを強調しなければならないところに本質的な問題がある。変わらないのであれば、今のまま機能強化をはかればいいわけで、杉田先生から質疑がありましたが、人も予算も減らされているなかで機能強化と叫んでも説得力にかける。制度いじりはやめるべき。お聞きすることは同じ。改めて確認したい。

 

市(宇田課長):

新法人定款に定める法人の目的は、・・・(既存の答弁どおり)・・・当然の結果ではないかと考えております。

 

共産党・井上浩市議:

普段の検査の蓄積があっていざに備えられる。本市の研究所の業務は、健康局、環境局、業務依頼が93%。大半が市の業務。これらを独法に各部局が依頼する保障はされているのか。独法には必ずしも発注しなくていいとなるのではないのか。

協定書を締結すると公式の答弁では初めてだったと思うが。定款、条例のどこに書いてあるのか。

 

市(宇田課長):

定款で定める業務については地衛研そのもの、大阪市としては必要な調査・研究を新法人に依頼するのは当然。さらに法人との協定書において明確にすることで府と協議してまいりたい。 協定書については先ほど来申し述べた、設備の利用の細目、そのなかにあわせて規定してまいりたい。その方向で府と協議したい。

 

共産党・井上浩市議:

これから考えますということ。条例にも定款にも根拠がない。ルール違反ばかり。追いつめられたら何か手立てとして突然持ち出す。公式の答弁としてない。欠陥条例。ダメ。

業務委託は相互に契約をかわす、煩雑になる。これから検討では担保がない。 独法組織との協定書という話では、救急救命センターが泉佐野、千里にあるが。独法化で公的責任が大きく後退した。

泉佐野のほうが住民運動がすごく起こり、赤字部分は大阪府が保障という協定書を取り決めた。千里は取決めがない。住民運動がないところは協定書はほったらかし。市長に一任している状況。議会に諮っていない。飛び越えてなんでも後出しじゃんけん、議会軽視は絶対にだめ。 環科研の研究員はグループにわかれておこなっている、相互に情報交換おこない、衛生環境双方で強みをいかす。雪印、最近では大気中新規化学物質など実績が多い。分断してはだめだ。環科研職員は法人業務にはたずさわれない、兼業禁止。双方にまたがるものは機能低下は必須。危機管理でもっと拡充はかるべきなのが現場の声、環境モニタリングなどで平時の知見集積しているが、継続性では大学にまねできないものがある。独自の調査研究を加味している。検査だけをやっている民間組織ではできない役割がある。 地道な調査、発展的研究で、市民を危機から守る体制。平時のモニタリングと発展的研究をあわせて、両輪で危機管理対応ができる。

市の案では、モニタリングは外注、予見的研究のみ直営とのこと。

モニタリングがあるから研究ができるものが、市民のための研究ができなくなり、存在意義が皆無となる、市の研究能力低下はさけられない。 1つ紹介するが。山口県、地衛研全国協議会会長の調先生、本年1月に、「行政機関が道州化で統合されない限り地衛研は各政令市で必要」と表明された。本市のことを示唆しているのではないか。本市においては府市統合は否決され、府市統合本部は解散した。調先生と同感で、各自治体で地衛研がぜったい必要、なじまない。質疑終わる。

 

 (議案の取り扱い)

100,101,166本日は態度決定をおこなわないこととし、この取り扱いについては、今後各派代表者会議で協議いただく。