環科研・公衛研まもれ@大阪

橋下維新の大阪市解体(都構想)は許せない!大阪市立 環境科学研究所(環科研)、大阪府立 公衆衛生研究所(公衛研)の統合 · 独法化、反対。メール dokuhou.hantai@gmail.com ツイッター @dokuhou_hantai

10月12日府議会 大阪府の答弁はウソ・虚偽答弁!18日の知事答弁はどうなる?

10月12日に、府議会健康福祉常任委員会が開かれています。

公衛研・環科研の統合と独法化に関して、全会派が質問を行いましたが、大阪府の上家健康医療部長、三枝副理事の答弁は、ごまかし、虚偽答弁の連発でした。

こんな答弁で可決してしまうのでしょうか??大阪市会よりもツッコミが甘い。

18日には、松井知事が出てきての答弁が行われる予定です。しっかりと追及を行ってください!

議事はこちらの動画から( 大阪府議会 議会中継 )

 


新研究所はエボラウイルスの検査をするのか?

松井知事は、2016年6月8日の府議会で、公明党が施設一元化の理由を質したのに対し、松井知事は「東京でエボラの検査ができるなら大阪でも」と答弁しています。

しかし、大阪市会では吉村市長が「エボラウイルスを扱うという意味ではない」と答弁しています。

明らかに答弁不一致です。これはなぜ100億以上もかけて統合するのかという理由にかかわる問題であり、あいまいにできないのです。

詳しい経過は( 松井知事とエボラ - 環科研・公衛研まもれ@大阪 )に記事にしています。

この問題について、以下の質疑がありました。私のコメントは(※)で書きます。

 

〇維新 徳永議員

先日の他会派の代表質問(自民)や一般質問でエボラ出血熱の検査について取り上げられた。代表質問においては「エボラウイルスの検査を取り扱うのか」という質問に対し、知事は「現在は国立の研究機関が取り扱っている。エボラウイルスだけではなく、あらゆる感染症に対して高度な検査をできる体制を大阪に整備すべき」と答弁された。

(※明らかに、エボラの検査もするという意味です)
私は、知事のこの答弁は、関西国際空港を抱える大阪府においては、海外からの感染症が持ち込まれるリスクが高いことから、府民の健康と安全を確保するため、より一層のセーフティネットを高めていくべき、という思いを知事が述べられたと理解している。

(※いや、エボラの検査をするのかどうかを勝手にごまかさないで・・)
一方、10月7日の一般質問において同様の質問がされた際、健康医療部長は「一類感染症等、地方衛生研究所において対応できないウイルスや細菌等の病原体の検査については新研究所で実施しない」「BSL4の実験室は設置しない」と明言された。
 大阪府は、新研究所でエボラウイルスの検査やBSL4施設の整備はしないということか。

◎上家健康医療部長
エボラ出血熱等、感染症法に基づく一類感染症の「確定検査」については、国においてのみ実施することとされている。このため、新研究所においては、一類感染症の「確定検査」は実施しない。また、一元化施設では、BSL4の実験室は設置しない。

 

〇自民 奥田議員
みつぎ議員の「エボラウイルスの検査を取り扱うのか」という質問に対し、知事は「現在は国立の研究機関が取り扱っている。エボラウイルスだけではなく、あらゆる感染症に対して高度な検査をできる体制を大阪に整備すべき」と答弁された。
このような答弁を聞くと、統合・法人化して機能強化を図るという新研究所では、エボラウイルスを扱いかねないと聞こえる。

(※その通り!)
一方、先日の徳永議員の一般質問において同様の質問がされた際、健康医療部長は「一類感染症等、地方衛生研究所において対応できないウイルスや細菌等の病原体の検査については新研究所で実施しない」「BSL4の実験室は設置しない」と明言された。
 大阪府は、新研究所でエボラウイルスの検査やBSL4施設の整備はしないということか。

 

◎三枝副理事
エボラ出血熱等、感染症法に基づく一類感染症の「確定検査」については、国においてのみ実施することとされている。このため、新研究所においては、一類感染症の「確定検査」は実施しない。また、一元化施設では、BSL4の実験室は設置しない。


(※)2016年6月8日の府議会で、公明党が施設一元化の理由を質したのに対し、松井知事は「東京でエボラの検査ができるなら大阪でも」と答弁している。したがって、以下の点について知事答弁が必須である。
第一に、エボラ出血熱のPCR検査は、BSL3施設においても可能と言われている。しかし、エボラ出血熱は国際感染症に規定されており、必ず国の施設における確定診断が必要ということ( 参考:エボラ出血熱:感染研の検査対応 )。健康医療部長は、「確定検査はしない」と繰り返しているが、PCR検査は行うのか?

第二に、疑い患者が発生した際に、迅速検査の体制は必要であるが、だからこそ国立のBSL4が稼働された。公衛研でPCR検査をする場合でも、疑い患者の検体が公衛研に持ち込まれ、研究員が検体を取り扱うことになる。地元への説明は行っているか。

第三に、「確定検査はしない」ということであれば、現状の公衛研と同じである。エボラウイルスに関しては、施設一元化で機能強化はされないということになるが、間違いないか。答弁修正はするか。

 

独法化して「東京都に匹敵する西日本の拠点」になるのか?

 

〇自民 奥田議員
私も、東京都健康安全研究センターを視察したが、直営であるからこそ有効に機能していることも理解できた。都の担当者からは「特段、東の拠点としての役割は果たしていないのが実情」との説明もあった。

◎三枝副理事
独法化する新研究所では、東京都健康安全研究センターに匹敵する機能を確保することができるよう
・健康危機に関する情報を一元管理するための専門部署の設置
・感染症にかかる疫学調査研究チームの設置
・検査業務の信頼性確保の専門部署設置
・BSL実験室の1か所での集中設置
・中核市に対する職員研修
・学術分野の支援連携
等の取り組みを進めたい。西日本の地衛研から問い合わせ等があれば対応していくなど、リーダー的な役割を果たしてまいりたい。

 

〇公明 大山議員
「疫学調査研究チームを設置して健康危機事象のさらなる対応力の向上に努めていく」との答弁だが、感染症法第15条によれば、法人職員はこの調査に積極的には関われないのではないか。直営でないとできない業務は本当にないのか。

◎三枝副理事
感染症法上の疫学調査は、府の責務であり、保健所等行政職員が行うが、同チームはこれら職員を指導・協力して、より精度の高い疫学調査を進めていく。

 

〇民進 中村議員
 機能強化として、「疫学調査研究チーム」も想定されている。しかし、実地疫学調査については、感染症法上、公務員の身分を持つ医師や保健師が行うこととされており、地方独立行政法人では、これらの業務ができないと思う。

◎三枝副理事
感染症法上の疫学調査については、知事の責務であり、大阪府職員の業務である。新研究所においては、専門家集団として保健所等を指導・協力することにより、さらに高度な疫学調査が可能となると考えている。

 

(※)統合・独法化して「東京都に匹敵する機能強化」「西日本の拠点に」は、知事の答弁である。
しかし、出てきた項目の「疫学調査研究チーム」とは、以上の質疑でも、法律上、実地疫学調査に関与できないことが明らかになった。
一方、東京都の実地疫学調査チーム(TEIT:Tokyo Epidemic Investigation Team)は、保健所の実地疫学調査に同行し、必要な場合には聞き取り調査なども行っている。
http://www.tokyo-eiken.go.jp/k_epid/
大阪で、実地疫学調査に関与できない「チーム」をつくっても、東京都に匹敵する業務はできない。「保健所への指導・助言」であれば、今でも行っており、何も強化されない。
独法化さえしなければ、大阪においても東京都に匹敵する疫学調査の専門チームを作ることが可能であるが、なぜつくらないのか。

(※)私たちは、府市のまとめた東京都モデルの「機能強化」について詳細な検証をしています。

<表>東京都モデルの「機能強化」審議ポイント(詳細版).xlsx - Google ドライブ

結果は、「独法化したら逆にできなくなる/独法化しなくてもできる」ということです。したがって、機能強化のためには、「独法化」がネック。施設一元化と、独法化は切り分けて、「独法化」の定款から再検証すべきなのです。
また、「機能強化」するという部分の職員と予算をつくるため、検査・研究部門のリストラになる危険性がある。公立のまま人員を確保して実現すべきです。

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デメリットのある独法化ではなく、なぜ直営ではダメなのか?

自民 奥田議員
なぜ両研究所は直営のままではいけないのか?

三枝副理事
府内で大規模な感染症、食中毒等が発生した際に、司令塔機能を一元化したうえで、区域を超えた広域的、統一的な対応が容易になるなど、現状の2つの直営で併存する体制に比べ、府域全体のセーフティネットを高めることができる。
こうした政策判断により、両研究所の統合・地方独立行政法人化を進めている。

 

共産 杤原議員
食の安全や放射能の問題をはじめ、住民の安全を守るためにも、いざという時の危機管理にかかわる部門は直営で運営すべきでは。

三枝副理事
新研究所においては、府内で大規模な感染症や、食中毒等が発生した際に、区域を超えた広域的、統一的な対応が容易になるなど、府域全体のセーフティネットを高めることができる。

 

民進 中村議員
新研究所の機能強化イメージとして「信頼性確保の専門部署」「健康危機管理情報の専門部署」の設置が記載されているが、このような部署の設置は、法人化をしなくてもやろうとすれば直営でも十分可能である。なぜ直営のままではいけないのか。

三枝副理事
新研究所においては、府内で大規模な感染症や、食中毒等が発生した際に、区域を超えた広域的、統一的な対応が容易になるなど、府域全体のセーフティネットを高めることができる。
以上のような理由により、府市の研究所においては、統合・独法化を進めることとした。

 

(※)三枝副理事は、意図的にごまかしている。
3人の議員が聞いているのは「なぜ直営ではダメなのか」である。
「区域を超えた広域的、統一的な対応が容易になる」と繰り返しているが、それは直営ではダメなのか?
なぜ独法化したら「広域的、統一的対応」になるのか?
理由が全く説明されていない。
議会をバカにしているのか??
感染症や食中毒等の対応については、行政、保健所間の連携がもっとも重要となる。現在でも、例えば吹田市で発生した感染症等について、感染が広がっていないか保健所間で連携し、豊中市や、大阪府の茨木保健所などが共同して対応にあたり、公衛研で統一的に検査、解析をすることが可能である。
直営だから区域を超えた対応ができないということは大嘘である。

まして新研究所が「司令塔機能」であるならば、独法化などとんでもないことであろう。危機管理の司令塔を、行政から切り離して、知事が指示できない機関にしてしまうのだから。

 

中核市の支援、その他について

 

公明 大山議員
 新研究所が扱うものには、個人のDNAに関するものもあり、倫理的な規定や指針をどうするのか。
 今は検査手数料に関しては、大阪府の手数料条例によって定められているが、独法化されれば条例によらず、議会の関与が乏しくなる。八尾市も平成30年には中核市に移行するが、検査費用がどうなるのかということもある。

三枝副理事
・・・(答弁なし。大事な問題なのに!!)

 

民進 中村議員
「府内中核市への支援」についても機能強化の一つに挙げられているが、中核市の立場からは、同じ自治体同士であり、法人の研究所よりも広域自治体の研究所から支援を受けるほうが連携を進めていくうえで効果的ではないか。

三枝副理事
府内には、感染症法等、公衆衛生分野において都道府県と同様の権限を有する中核市が現在4つあり、今後も増加していくことが見込まれる。比較的規模の小さい中核市においては、専門人材の確保、育成、検査能力の確保等は相当な負担であり、レベルの違いが生じてくる。
このように大阪においては、他府県と異なる事情を抱えており、府域全体のセーフティネットを確保していく観点から、多くの専門人材と豊富なノウハウを蓄積した地方独立行政法人の新研究所において、中核市からの支援ニーズに対応できる仕組みを構築したい。

 

(※)まったく回答になっていない。
中核市が増加する大阪特有の課題について、広域行政として大阪府の研究所の強化こそが求められている。
中核市は、自ら検査解析が困難であれば、同じ地方自治体の大阪府と地方自治法に基づく協定を結んで事務を依頼することができる。しかし、独法化された研究所が、中核市の依頼を引き続き受ける担保はどこにもない。中期目標案にも、「中核市と連携すること」と一言あるだけではないか。
平成18年には、近畿2府6県及び政令市の地方自治法に基づく協定書が締結されており、近畿ブロックでの衛生研究所の連携、緊急時のフォロー体制ができている。大阪が法人化すれば、その連携協定からも外れてしまうではないか。

 

理事者の答弁は、ウソばかり!!