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環科研・公衛研まもれ@大阪

橋下維新の大阪市解体(都構想)は許せない!大阪市立 環境科学研究所(環科研)、大阪府立 公衆衛生研究所(公衛研)の統合 · 独法化、反対。メール dokuhou.hantai@gmail.com ツイッター @dokuhou_hantai

2/21 第3回評価委員会 大阪府市の議会への「約束」は完全スルーか?

衛生研究所の統合・独法化問題。

議会筋によれば、大阪府市は「1月4日に総務省に独法化の認可申請をした。また中期計画取りまとめなど、着実に準備を進めている」と議会各派に説明しているようです。

まったくデタラメ。森友学園問題と同じく、準備は全くできていないのに、認可だけを急がせているのです。

こんな状態で認可を出すなら、総務大臣の責任が問われます。

さて、昨日のブロクでは、2-3月大阪府市議会に出される「平成29年度予算案」の問題点を書きました。

(記事はこちら 大阪市・府3月議会、独法化の予算(案)が明らかに。これでは危機対応はできない! - 環科研・公衛研まもれ@大阪 )

今日は、9-10月議会での「約束」を振り返ります。議会に対して、どんな「約束」がされていたでしょうか。

(過去記事はこちら 

まだまだ終わってない!独法化のハードル3つ(9-10月大阪市・府議会の答弁まとめ) - 環科研・公衛研まもれ@大阪 )

 

9-10月議会での「約束」はどうなったのか?きっちりと確認を!

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(写真は2016年10月大阪市会本会議)

 

9-10月議会では、まとめると、公明や自民の質疑に対し、以下の6点が「約束」されています。

市民、府民の命にかかわる業務であり、独法化しても大丈夫なのか、突っ込んだ議論を通して「約束」したことです。当然、4か月もたってるので、かんぺきな制度ができているはず!!ですよね??(苦笑)

 

(1)知事、市長の権限の担保について、業務方法書、中期計画、協定書の締結など万全の体制を整備すること。

(2)機能強化について、予算に反映するなど制度構築すること。

(3)今後の研究所の体制を整理し、必要な人材の計画的な確保を行うこと。⇒人材確保計画を示す必要があります。

(4)中核市からの検査依頼、中核市検査分の病原体情報の収集など広域対応の仕組みを構築。

(5)国庫補助を受けずに、機器更新に支障をきたさない仕組みづくり(運営交付金にあらかじめ想定して上乗せするか、個別協定書などの対応か)

(6)健康危機事象発生時の必要な試薬や人件費等を想定した運営交付金の制度設計

 

2/21 第3回大阪府市地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 評価委員会で判明したこと

2月21日、独法化に向けた「評価委員会」(外部委員による審議)が行われました。

大阪市:報道発表資料 平成28年度第3回大阪府市地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所評価委員会を開催します

私たちは、評価委員の委員に要望書を出していました。

(要望書の内容はこちら 独法化の「評価委員」に、尼崎事故のもみ消しをはかったJR西日本の元副社長が!府民の安全は大丈夫か?要望書提出。 - 環科研・公衛研まもれ@大阪 )

今回の議題は「中期計画案」の審議でした。しかし、肝心の「収支計画」も「組織体制」も示されず、次回回し。傍聴に参加した方からの情報では、次のやり取りがありました。土屋委員から苦言が出るほど、準備が遅れているようです。

○土屋委員「収支計画も次回に出すとのこと。組織体制と人員、事務分掌、就業規則も示されないまま、計画だけ審議と言われても。4月から法人化というのに就業規則も決まっていないはずがない。概要だけでも出せないのか」

○上屋大阪府部長「まだ決まっていない。次回、少なくとも概要は示す。就業規則については法人で1つのものを作ると組合とも調整している」

○平木大阪市環科研所長「組合とは『調整中』です!」

いったい、どうなってるんでしょうか?

「次回」とは、3月末で、そこで中期計画案を取りまとめるとなったようです。つまり、2-3月の大阪府市の議会審議では、中期計画も、組織体制も、示せないということです。それなのに、お金の出資だけは可決してくれ?虫が良すぎませんか?

1つ1つ、市長・知事の議会への「約束」についてみていきます。

 

(1)知事、市長の権限の担保について、業務方法書、中期計画、協定書の締結など万全の体制を整備すること。

 9-10月府市議会では、知事、市長は法人に指示はできず、予算執行や職員配置について議会が決めることもできない等の独法化の問題が指摘されました。
 しかし、大阪府市は、これから策定する「中期計画」「業務方法書」「協定書」などにおいて、知事市長の権限の担保などについて万全の体制を整備すると約束しました。
(市)
●健康危機事象発生時などに、知事又は市長による要請を、法人が断ることは基本的には想定しておりません。ただ具体的なケースにおける対応など細目については今後詰める必要がある(9/27 委員会)
「協定書締結などの制度的担保」についても、今後、府市で調整(9/27 委員会)

(府)
●健康危機事象が発生した際、具体的な指示を行うことを明示。実効性を確保するため、業務方法書への明記、府市と新法人との個別協定書の締結など万全の体制を整備する。(10/3 健康医療部長)

しかし、中期計画も、業務方法書も、協定書も、何も進んでいません。約束違反です。議会できっちり示させましょう。

 

(2)機能強化について、予算に反映するなど制度構築すること。

 機能強化の具体化(中期計画、人材確保、予算措置、中核市支援など)をどう進めるのか、9-10月議会では以下のように「約束」されました。
(市)
◎中期計画で示していくことが重要。予算にもからむことであり、年内に一定示してまいりたい。(9/27 委員会・吉村市長)
◎(機能強化について)今からでも何ができるのか検討して、来年度予算に反映できるものがあれば反映し、しっかりと取り組んでまいりたい。(9/27 委員会・吉村市長)

しかし、「中期計画」は3月末に取りまとめとなっています。議会に成案を示すことはできません。年内(12月中)と言っていたのは虚偽か。

 

(3)今後の研究所の体制を整理し、必要な人材の計画的な確保を行うこと。⇒人材確保計画を示す必要があります。

土屋委員が苦言したように、地方衛生研究所の機能の実効性を確認するためには、組織及び人員体制を示す必要があります。9-10月議会では、以下のように「約束」しています。

◎優秀な人材を確保し育成していくことも重要。今後の研究所の体制をまず整理したうえで、必要な人材を計画的に確保していくことに努めてまいりたい。(9/27 委員会・吉村市長)

◎どういった施設にするのか、組織にしていくのか、体制にしていくのか、もちろん大きな方向性はこの中期目標で示しているが、可決をいただければ年内をめどに一定示していきたい。(9/27 委員会・吉村市長)

しかし、組織体制も、人材確保計画もありません。年内(12月中)という「約束」はどうなったのか?

予算資料では、「機能強化」のために組織を新設するなど説明がされていますが、従来からの検査・研究部門の「微生物部」「衛生化学部」に、何人を配置し、何人が欠員となるのか、いつ採用するのか、説明はありません。まして、今の環科研からいったい何人が法人に移行するのかも決まっていないのです。

 

(4)中核市からの検査依頼、中核市検査分の病原体情報の収集など広域対応の仕組みを構築。

「西日本の中核的な地方衛生研究所」というからには、大阪府内の衛生研究所を持たない中核市をバックアップできる体制は当然で、大阪府はこのように「約束」しました。

●中核市からの支援ニーズに対応できる仕組みを構築したい。(10/18 委員会 府健康医療部長)

しかし、予算資料を見ると「既存体制により対応」とあるのみです。人も予算もつけません。

これまで、大阪府、大阪市は、平成18年に地方自治法に基づく「近畿2府7県地方衛生研究所の協力に関する協定書」を締結しており、中核市のみならず、近畿一円での広域の連携をとってきました(日常からの、近畿ブロック内での、検査分担、菌株保管などの連携、緊急時の検査の相互協力など)。 

これは自治体同士の協定なので、独法化すれば協定から外れてしまいます。中核市からの検査依頼があれば、手数料により対応するとしていますが、対応する「義務」はありません。大阪府市の独立行政法人なので、豊中市や枚方市等の中核市との協定関係にはないからです。

このままでは、「西日本の中核」と言いながら、府内全域のバックアップ体制が崩れてしまうのです。どんな体制を構築するのかきっちり確認が必要です。

 

(5)国庫補助を受けずに、機器更新に支障をきたさない仕組みづくり(運営交付金にあらかじめ想定して上乗せするか、個別協定書などの対応か)

9-10月議会では、独法化すれば国庫補助の対象外になってしまうことが指摘されました。これについて、大阪市は以下のように「約束」しています。

●(感染症の機器整備が法人化すれば国庫補助の対象外になるが)適切に機器更新ができるよう進めてまいる(9/27 委員会)

しかし、中期計画(案)でも、機器の整備計画は示されず、その財源担保も示されていません。国庫補助の対象にならない分、運営交付金にあらかじめ想定して上乗せするか、行政側が財源保障する個別協定書が必要ですが、何にも議論すらされていません。

 

(6)健康危機事象発生時の必要な試薬や人件費等を想定した運営交付金の制度設計

9-10月議会では、健康危機事象が発生した際の試薬や人件費等の担保について指摘され、大阪市は次のように「約束」しています。

●急迫で重大な健康危機事象が発生した場合には、大量に必要となる試薬等については、大阪府市で必要な運営費交付金を措置できるよう制度設計を行ってまいります(9/27 委員会)

 

しかし、昨日の記事( 大阪市・府3月議会、独法化の予算(案)が明らかに。これでは危機対応はできない! - 環科研・公衛研まもれ@大阪 )で明らかなとおり、この2-3月議会に提示される平成29年度予算では、健康危機事象発生時の人件費等の想定がまったくされていません。

「制度設計」はまったくなく、「その時に、何とかするさ!」というノリです。

おいおい。

以上のとおり、(1)~(6)の「約束」は、すっかり反故にされているようです。

しかし、議会がスルーすれば、「約束」はなかったことになってしまうでしょう。

この2-3月議会は、都構想がらみの案件が山積みですが、この環科研と公衛研の統合・独法化もその重要な一角です。