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橋下維新の大阪市解体(都構想)は許せない!大阪市立 環境科学研究所(環科研)、大阪府立 公衆衛生研究所(公衛研)の統合 · 独法化、反対。メール dokuhou.hantai@gmail.com ツイッター @dokuhou_hantai

本日(2月22日)、大阪市 議会 委員会。採決保留。自民・西川市議の反対討論 支持します!

本日、2月22日、大阪市議会の民生保健委員会がありました。

衛生研究所の統合独法化案件(議題第100号、101号)は、自民、公明、共産が反対討論。

公明党の山田市議の反対討論は前記事。

本日(2月22日)、大阪市議会 委員会。採決保留。公明・山田市議の反対討論をピックアップ。 - 環科研・公衛研守れ@大阪

今回は、自民党の西川市議の反対討論のことです。

自民・西川議員は、よくぞ言ってくれました!
特に、感染症法の改正のことに触れてくれたのは、すごくうれしいです。

先日、大阪維新の飯田さとし議員が、この法改正のことを知らないまま、かつ、厚労省の3年前の見解を歪曲して、無責任に「独法化は問題ない」と言っているのが発覚しただけに、よくぞ、と思いました。

大阪維新・飯田さとし市議の問題ツイートまとめ - 環科研・公衛研守れ@大阪


大阪維新は市民の健康に責任を取れる政党ではない、ということです。

西川市議の指摘のように、衛生研究所の統合・独法化は、「都構想」が出発点の案件です。それを「機能強化」のウソで包み込んで、都構想を再度既成事実化させようとしています。

野党議員のみなさん、大阪市存続のため、都構想を一歩も前に進めさせないため、市民の防波堤になってください。この件は否決させてください。

西川市議は、今回、大阪市存続を前提に公衆衛生に大阪市が責任を持つべき、国が「重大な危機管理に直結するため独法化しない」として国立も直営だし地方衛生研究所も全て直営であること、2016年4月の感染症法改正で「検査は市長の義務」とされており独法化はありえないこと。を強くうったえました。

以下議事概要です。ぜひ読んでください。応援しましょう。

 

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研究所の統合・独法化に関する委員会議事概要。
2016年2月22日。民生保健委員会。13時開催予定、スタートは14時。

自民・西川ひろじ市議:
独法化の議案についてお尋ねしたい。この議案はなんと今回で4度目。昨年12月に3度目の提案の際、2研究所を独法化することが大都市である公衆衛生行政の充実・強化に本当に必要なのか質疑おこなった。結果、反対多数で否決となった。にもかかわらず、わずか4か月後全く同じ内容の議案が提出された。
どうしたんですか、これ。全く同じ内容。議会の決定を受け止めしっかりと考えてほしい
そんなに急ぐ必要があるのか聞きたい。
 
市(福田・環科研管理課長兼独立行政法人化担当課長)
新たな感染症の世界的大流行の高まり、重篤な感染症には、市域と府下の検体の一括検査による迅速対応が期待される。
府域では統合により倍増する職員を集中的に投入する、広域での病院、保健所などとの情報共有に大きなメリットがあり、改めて提案した。
 
自民・西川ひろじ市議:
強化できるから、急ぐ、ということですが。公衆衛生全般に対して責任をもつのは基礎自治体である大阪市の健康局であり保健所。その活動にたいして検査、研究を通じ科学的根拠をあたえるのが環科研。それがあって市民の衛生も確保できる。
独法になって、健康危機管理にどのような影響があるのか、もう一度尋ねたい。
 
市(福田・環科研管理課長兼独立行政法人化担当課長)
市が府と共同して設置する地方独立行政法人。設立団体の意向をふまえ、法人の強みを活かして運営できる。環科研は大都市地域に直結した研究が特色。府は広域的な研究。統合により総合力をもった研究所にできる。
高度な機関となることで関西圏における支援連携強化、センター機能の機関となる。
新たな感染症のとき東京にある機関に頼らず検査が出来ることも期待。
独法によって民間との連携した開発もしやすくなる。いわゆる特保の審査ができる環科研の強みを活かして、より民間と連携し、府民の健康増進に寄与できる。今まで以上に民間をバックアップできる。
 
自民・西川ひろじ市議:
この問題については実に都合のいい理屈をいつも並べてくれるなと。マイナス点もしっかり考えて。命と健康のこと。もっと真剣に答えてほしいなと思う。そもそも、衛生研究所を独法化するか否かの根本。国立感染研の独法化が検討されたとき、「国の重大な危機管理に直結する業務を行っているため」ね、もっかい読みましょか。
国の重大な危機管理に直結する業務を行っているため」「独立行政法人化しない」となっているんですよ。
保健所から送付された検体で、衛生研究所でウイルス検査、続いて国立感染研でダブルチェックで判定されている。
全国でもすべて直営。国も含めて大事な組織だから直営。大阪だけ何を考えているのかな。
5月17日、市民のご判断により大阪市の存続は決まっている。府市統合本部はもうない。
しっかり市民の暮らしを考えていただきたい。今年の4月から感染症法の一部改正が施行される。今回の改正では最近の海外における発生状況、保険医療の環境変化ふまえた、マーズ等2類感染症への対応の追加に加え、情報の収集強化の規定整備が規定された。わが大阪では市長がその責任を担うと考えますが、認識を聞きたい。
 
市(福田・環科研管理課長兼独立行政法人化担当課長)
今回の法改正で追加されたものでは市長の責任とされた。統合独法でも、本市の衛生研究所であることには変わりない。
 
自民・西川ひろじ市議:
市長の義務と明確になった
やはり市民に近い大阪市長に対処する義務があるのは当然。環科研独法化は、運営面で効率化を高め、コスト縮減が求められる。手厚い現行体制が守れるのか。金が敵(かねがかたき)世の中(補注:金銭のために身を滅ぼすこと)、に入っているんではないでしょうか。
そもそも、「二重行政」が、スタートじゃないんですか?その辺考えてほしい。
緊密な連携にも心配。保健衛生行政を行っていく必要。しっかり維持していくことが不可欠と申し上げたい。
市長も視察にかれたと聞いたが、わが会派でも視察した。議論が白熱して押しました、理事者にはご迷惑、おわびする。
環科研にも参りましたが、いきいきと誇りを持って堂々と誠にたくましく思った。創設以来、営々と、市民の健康を守る業務に取り組んでこられた自信と自覚を感じたこれからも市民の安全安心、明るい未来に尽力されることを願って終える。

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議事概要は以上です。

 

しかし大阪市はウソの説明を、4カ月前と変わらず続けています。

「府域では統合により倍増する職員を集中的に投入する、広域での病院、保健所などとの情報共有に大きなメリット」

ですと?

「倍増」など「機能強化」のウソへの批判はこの記事でおこないました。

大阪市議会(10月2日)ーー「統合で機能強化」の大ウソ - 環科研・公衛研守れ@大阪


「保健所などとの情報共有にメリット」
、は今回、初めて言ってきました。

何を根拠に言うのでしょうか。全く、逆です。

感染症の疫学調査は、保健所と研究所が一体となって検査・調査を行ってきました。
バラバラに発生しているように見えるO‐157やノロウイルス等の事例について、研究所は遺伝子解析から同一原因の集団発生かどうかを解析していきますが、それは同時に保健所の疫学情報(だれが、だれと接触してきたか等)をあわせて解析していくものです。
行政から切り離されれば、そうした疫学情報の共有は委託契約の範囲内に縛られ、迅速な対応に支障が生じるのです。

たとえば、被接触者の個人情報・センシティブ情報が、組織内でのやり取りもルールが必要であるのに、別組織(独法組織)となると、別次元にハードルがあがります。

そういった検証を大阪市はしたのか?全くしていないのです。恐るべきことです。

 

関連記事:

2016年4月感染症法改正について―環科研の統合案(独立行政法人化)は、法改正の意義を理解し、機能強化のための見直しを ※調氏に参考人の意見聴取を要望したい - 環科研・公衛研守れ@大阪


また、新法人の理事長は大阪府知事が任命するとされます。大阪市は運営交付金の予算は負担するとされますが、業務の指示は大阪府が行うことになります。政令市である大阪市の機能強化にはなりえません。 

 

それから大阪市の説明でもう1点 、

「今回の法改正で追加されたものでは市長の責任とされた。統合独法でも、本市の衛生研究所であることには変わりない。」

ですと??

2016年4月に、感染症法が改正され、環科研が行う検査は「市長の責務」と明記されます。
市長の責務なのだから、「自ら実施しなくていい事務」には当たりません。西川議員が言うとおり、独法化はありえません。
また大阪維新の飯田さとし議員が言っちゃったとおり、「直営実施は政策的な判断が常に求められる、または公権力の行使が必要、法律で義務付けられている事務があたります」なので、独法化はありえません。

 

大阪市は、「統合独法でも、本市の衛生研究所であることには変わりない」と言いますが、大阪市が衛生研究所に検査を依頼する規定は、定款にも、中期目標にも一言もないのです。

いくら法人が「検査やります」と言っても、大阪市が委託をしなければ研究所の検査に基づく研究データは集約されず、疫学調査機能は低下します。

独法化で現実に起きている問題を見ればわかります。病院でも他でもありますが、たとえば、大阪府の環境部門(環境農林水産総合研究所)では、4年前に独法化されてしまっていますが、運営交付金も、第二期中期計画で人件費を含めて削減されました。

(この記事に書きました。

環科研の環境部門の廃止・引き揚げは、大阪市が公害対応から手を引くことを意味する - 環科研・公衛研守れ@大阪 )


独法組織というのは、役所から見たらあくまで「別組織」。独法として切り離された瞬間に、役所からは見えない存在、責任を取らなくていい存在にどうしてもなってしまいます。
それで独法先で、独法組織の経営難、非正規・ワーキングプア問題、すでに起きている問題はきりがないほど多くあります。

 

衛生研究所をそんな扱いにする愚行に「賛成」する議員は絶対に許せません!
市民にどれほどの損害を与える行為か。なにがあっても、絶対許せません。あきらめてはならない件なのです。

他にもあきらめてはいけないものはいっぱいあります。バス・水道の民営化。大学の統合。都構想の進攻は食い止めよう。


今回、なぜ内容的にどう考えても反対の討論をしているのに、採決で否決されなかったのか、 とても疑問です。

まさか当局が今さらになって焦ってウソの微修正を提案したことで納得しようという動きがあるのでは、あるまいか??

まさか。そんな市民への騙しは絶対にないとまずは信じます。

 少なくない市民が、この成り行きを固唾を飲んで見守っています。

これまで反対されてきた議員のみなさん、これまでどおり、良心を貫いてください!