【8/22 副首都推進会議(第5回)文字起こし】今回もブラック企業の会議のようでした
8月22日、第5回 副首都推進本部会議をウォッチしました。
(動画はこちらでアップされています。
https://www.youtube.com/watch?v=EXUtLgPo56w )
(配布資料はこちらの大阪市HPでダウンロードできます。
http://www.city.osaka.lg.jp/fukushutosuishin/page/0000373070.html )
次の3つがテーマ。この3つは大阪市を廃止する「大阪都構想」でターゲットにされた重要案件。 3件とも、9月議会で統合方針を示すようです。
(1)大阪府立大学・大阪市立大学の統合
(2)府立産業技術総合研究所(産技研)・市立工業研究所(市工研)の統合
(3)府立公衆衛生研究所(公衛研)・市立環境科学研究所(環科研)の統合
大まかな感想として、4か月前の「第3回 副首都推進本部会議」で、大学と衛生研究所がテーマになっていましたが、そのときの焼き直しか、デジャヴのような感じでしたね。
(第3回会議の衛生研究所についてのブログ記事
4/19 副首都推進会議(第3回)まとめ。やはり、研究所独法化は止められる。 - 環科研・公衛研まもれ@大阪 )
(大学についてのブログ記事
大学を金儲けの道具にするな。大阪府立、市立大学の統合に反対。(副首都推進会議(第3回)文字おこし) - 環科研・公衛研まもれ@大阪 )
3件とも「機能強化」の具体化が課題になっているのに、そこが前回からあまり進んでいない状況。なのに3件とも、強引に「では9月議会までに出せる水準に」という結論。いや無理やろ。4か月たって具体化されてなくて、なんであと1か月でできるねん。
毎回なのですが、この会議、
松井・大阪府知事と、吉村市長と、上山信一・特別顧問が、あまりにも現場の専門性に欠けた「トップマネジメント」で、勝手なことだけ決める。
実現性のない「機能強化」だけ言う。
極端な格差社会のアメリカのまねごとばかり掲げてくる(一昔前に流行ったような横文字ならべて)。
いっぽう、大学など現場の理事長はいずれも屈服しているものの、「せめて統合するなら金をくれ」と毎回の会議で哀願。
なのに毎回この3人(知事、市長、上山信一)は、ブラック企業の社長よろしく、「そこはお前が考えろ」「リターンがあるよという具体案を出せ。ないなら金は出さない」と無理難題の押し付け。回を重ねても深まることはない。
あえて前回会議との違いをいうと、環科研と公衛研の理事者(市・平木所長と、府・山本所長)だけは、前回会議で「“デメリット”という言葉はおかしい」と松井知事に恫喝されたので、「課題がある」とは一言も言わずに、「この方向で進めます」みたいな10秒くらいのコメントを両者ともしめしあわせてしていましたね。一番課題が山積みなのにな。
さて、話は会議の中身に戻りまして。以下、簡単な文字起こしです。
(「※」は私のコメント)
【1つ目 大学統合】
矢田特別参与(九州大学名誉教授):
九州から静観していた。たいてい、ホップ・ステップ・ジャンプの絵を描いても、ホップ・ステップの次はない。合理化(リストラ)で終わり。どうジャンプするか。結局は大学のやる気と能力。相当の仕掛けがいる。大学からも第3、第4のテーマを出してもらったほうがいいのでは。
府大の学長:
資料3のp.14から全て語っている。行政の扱うビックデータの話、これまで個人情報で手を付けにくかったが、やっていくべきじゃないかと。現場におろしていくのはなかなか大変。大学改革の中で、執行部のガバナンスを強化する中でやっていきたい。
※あんたらが今、松井知事らにやられているような、屈辱的な無理難題の押し付けの「執行部ガバナンス」を、自分の足元でもやろうというのか。
市大の学長(荒川):
顧問たちに詳細の分析をいただいた。2大学の新機能に貴重な提言。ステークホルダーとの対話をもって、たたき台を詳細につめていきたい。進める上で、研究者や環境の確保が必要。先ほどの資料説明でp.56、説明飛ばされましたが(笑)
単に運営交付金を減らさないだけではなく、機能強化、計画的な推進のためには予算が必要。
松井・大阪府知事:
基本的には2つが一緒になれば新大学で新たな分野の研究・機能ができるであろうという話をまとめていただけた。両大学には負担金をこれ以上減らすものでない。
たださらに資金が必要とのことだが、具体的に“こういうリターンがある”と大学として設置者を説得してもらわないとダメ。具体的なメリットないとお金はつけられない。機能強化の分野はだいたいはっきりしてきたんかな。9月議会で説明してほしい。
※無責任なハゲタカファンドとか、大株主とかが会社を乗っ取ったあげく事業部長とかに言ってそうなセリフ。
吉村・大阪市長:
これまで府・市が完全に分かれていたイメージだった。
※イメージて!(笑)(怒)
吉村・大阪市長:
1つになって都市に貢献する。今まで府も市も税投入していたが1つになる。
聞いてて思ったんですけど、荒川さん(市大の学長)、上から決められたからするんだ、じゃなくて、考えを一致して進めてほしい。大阪に貢献する大学に。
※維新のガバナンスって、ほんとにこれですよね。上から不合理なこと押し付けてきたあげくに「上から決められたからする、じゃなくて」ってなあ。どんだけ社畜精神を求めてくるんだ。でもこのセリフ、日本で働いている人なら体験済みの人多いでしょうね。
【2つ目 工業研究所の統合】
上山信一・特別顧問:
すでに府と市の工業研究所とも合理化しており効率は良い。そのうえで、資料4のp.14にあるように市の研究所の実績を見ると、大阪の宝だと実感。「スーパー公設試」は夢として色々なところで言われているが、大阪府と市には2つの宝がある、それを融合して、産業支援に活かしていく。それ以外の選択肢はないと思う。
※なーにが「スーパー公設試」だよ!スーパーサイヤ人かよ。2つの宝をフュージョンさせたら戦闘力が急に増すんかい。現実離れしたことは二次元の世界でやってくれ。
まじめにやっている現場の人が恥ずかしく思ってしまうようなネーミングをやめろ。
府・産業技術研究所 所長:
日本のものづくりの転換期。事業所数の減少。どうするか、常々考えている。今回、市工研と一緒になっての公設試。可能性あると思う。いっぽう、本当の意味の機能充実、何をしたらいいか。府、市の戦略的な投資、支援をお願いしたい。それを糧(かて)にしながら改革をはかりたい。オープンイノベーション、今の課題のキーワード。体系的に、強固に、他機関と連携。しかも中小企業の目線での一気通貫を。その一役を担いたい。
市工業研究所 所長:
府所長とベースは同じ。あり方、議論されているが、大阪の中小企業を支えるスーパー公設試でありたい。先行的技術開発という中小企業にはリスクのある部分を研究所が行い、技術移転する。大阪のものづくりを先導する。あるべき姿の具現化、機能強化は、新たな投資で、ユーザー目線で。企業との共創の場のために、国立の研究所や、国立大学・私立大学、地域の研究資源の参画、一体となった研究を。強みの話でいうと、強みを活かすとともに、強みを殺さない活かし方を念頭に置きたい。
松井・大阪府知事:
大学と同じで、運営費削るのは目的ではない。統合効果だけでも、スーパー公設試になったら新たな製品開発のお手伝いに。両試験所でどの分野を強化していくのか、イメージはあるのか。
※うわ、またはじまったよ。イメージくらい言い出しっぺの自分が持てよ。
知事なのに、「スーパー公設試になってんから、戦闘力アップするんちゃうん」みたいな話。
あのね...三次元ではそういうのはないです!
所長も会議出席者なんだからもっとがんばらな現場の信頼は地に落ちますよ。
市工業研究所 所長:
環境、エネルギー、バイオ・・・これから。
府・産業技術研究所 所長:
環境、エネルギーは人類共通の課題。ライフメディカルイノベーション。すでにスタートアップしているものもある。(あまり聞き取れず)
吉村・大阪市長:
市工業研究所 所長、先ほどの「強みを殺したらいけない」をかみ砕いて説明を。
市工業研究所 所長:
府の産技研は機器の試験等を積極的に行っている。市の工業研究所は研究開発が特色。地域ごとのカラーがあるし、府と市でアプローチもちがう。違うタイプを一緒にして、どちらかにタイプをあわすと強みが殺される。違うアプローチは残して、良さは取り込む。
府・産業技術研究所 所長:
民間の事例でいうと、統合は失敗が多い。モノトーン化して、片方の色がなくされたときに失敗する。最低限の強みの確保と、それぞれの良さの取り込みが要る。
松井・大阪府知事:
それはまさに法人で決定して取り組んでもらえばいい。まさに独立行政法人なんだから、裁量権持ってくださいよ。我々が口出すことはありません。
※なに逆ギレしとんの。口出しまくって組織をむちゃくちゃにしようとしとるだろ!!!よーゆーわ。ほんまブラック企業大喜利か?というくらい、やってくれるな。
吉村・大阪市長:
大阪の成長のため、民間の力を活かす、お役に立てる。アプローチ、文化の違い、あってもそこは同じ。今回のスキームもユーザーの視点で、府と市の垣根越えてやってほしい。
※ほんとこの人、内容なさすぎて、言葉が流れていく、って感じですね。しかも選挙応援疲れか、けげんそうにしてるわ、えらそうやわ、ほんまこんな会議出たくない。
上山信一・特別顧問:
工場の統合と同じ発想にならないように。場所が離れているのもある意味良い。タイガースが云々(ばからしいので略)。民間の良例も参考に。
※世の中「ある意味」まで含めたらたいがい何らか「良い」わな。衛生研究所の統合は場所が離れてたらあかんから一元化提案とのことですが、それも「ある意味良い」んやろーな。はいはい。
【3つ目 衛生研究所の統合】
上山信一・特別顧問:
先ほどの2案件と同様、単に統合ではなく機能強化ということで。全国とのネットワークも提案された。もう1つ出てきたのは産業支援の可能性出てきている。工業研究所とは目的は違うが、バイオエンジニアリング(これは3機関全ての共通キーワードだった)、健康安全面での産業連携、衛生研究所はその基盤と理解したい。
※やっぱり産業支援を再度ぶっこんで来るんだな。議会の議論ではずされたのに。
このことは別途ブログの記事にします。
府公衆衛生研究所・山本所長:
我々はこの方向にそって進めてまいりたい。
市環境科学研究所・平木所長:
機能強化と考えておきたい。
※もはや意見さえ言わない末期症状。もう明日辞任しましょう。
松井・大阪府知事:
今日この報告受ける3日前、全部新聞で出てましたけどね(笑)場所は今後課題を整理したい。
吉村・大阪市長:
機能強化が目的と議会でも言ってきた。一元化が一番だ。長い目で見て進めたい。
松井・大阪府知事:
東京都の研究所を見に行って、まさに違いを感じた。見たらわかる。府議会には、各会派に行ってもらうように提案して、秋には行ってくれると思う。市側の各会派にも見てもらうのが一番、見ていただけるよう市長からも伝えてもらいたい。
吉村・大阪市長:
会派か委員会単位かわからないが。東京都の施設を見たら、専用施設、BSL3の施設も使い方も。一元化施設はその目的にかなう。2元代表制なのでどうなるかわかりませんけども。
上山信一・特別顧問:
大学、工業研究所についても、議会やプレスは現地見たことない関係者もいる。見学したうえで議論を。施設の良しあし。今日の資料は充実はしていたが、現地に行ってほしい、関係者には。
※「現場知ってるふり」で逃げ切ろうとしているのか何なのか知りませんが。現地に行くのは、確かに、行かないよりも、必ず勉強にはなるものです。しかし、1回だけ、ハコモノだけ、見学させてもらっただけで、「わかった」と言えるなんて本当に無知だなとびっくりする思いです。いったい、この方々はまともな仕事をしたことがないのでしょうか。
文字起こしは以上で、資料内容への意見については後日アップします。
会議は、現場との一体感も創造性も全く感じられないものでした。
ダメな会議の典型。
市民のみなさん、こんな会議に未来を託したらダメです。
社会というのは、現場から湧き上がってくるアイデアを尊重し、それをどうみんなで実現していくか、の繰り返しで発展するものではないですか。
トップダウンでよくわからない組織形態のいじりばかりやられて、具体的な内容や結果責任は部下が負う、というのは無理難題だし、腐敗しか生みません。
それが維新はまだわからないのか。あなた方は、楽しく同僚と仕事した経験がないのか。自分の頭で考えて、同僚と支えあって一生懸命に働く経験がないのか。
社会の力はそこに宿るということがまだわからないのか。
いや、それとも彼らはわからなくてもいいのでしょうかね。自分たちが懇意にしている一部の大企業や株主さえ儲かって、逃げきれればそれで。
それがこの「副首都推進」であり、「都構想」なんですね。
心あるみなさん、それは許したらあかんのとちがいますか。
↓ 許せない人、この集会来てください!一緒にやりましょう。 ↓