環科研・公衛研まもれ@大阪

橋下維新の大阪市解体(都構想)は許せない!大阪市立 環境科学研究所(環科研)、大阪府立 公衆衛生研究所(公衛研)の統合 · 独法化、反対。メール dokuhou.hantai@gmail.com ツイッター @dokuhou_hantai

10/4 大阪市会本会議で研究所案件、採決。しかし、山本議員(自民)の討論で問題は明らか。

本日10/4、大阪市議会、本会議。
衛生研究所の統合(独法化)議案(186,204-206号)が可決。
(9/27委員会での審議結果と同様で、維新、公明の賛成で可決。自民、いくの、共産は反対。)

私たちの見解はこちらで記事にしたので今回は省略。( 【見解です】9/27大阪市会 研究所独法化 委員会可決 ゆるせません! - 環科研・公衛研まもれ@大阪 )

本会議が正式な決定の場なので、これで本当に首の皮一枚に・・・ 
腹立つ!

今回は、本会議でせめて良かった部分について、文字起こしなどしました。

 

研究所関連予算の減額修正動議

本会議では、自民市議団が、関連の補正予算(議案186号)に対する修正動議を出しました。

「そもそも統合・独法化に反対なのだから、関連の補正予算にも反対」ということで、その額400万円を抜いた減額の補正予算案を提案するというものです。

5月議会でも同じように、減額補正提案されていました。

素人考えでは、研究所の統合独法化の直接的な議案には反対と言っても、補正予算案は他の政策も含めた一括のものなので、個別政策のために反対はしないのかなぁと思ったりしたんですが、ここまでスジを通すのには感心しました。
こういうところももっと普段から評価し発信しとくべきなんでしょうね、市民が。やって当たり前のようにスルーではなく。

以下は自民市議団HPの、5月の補正予算の減額修正の趣旨説明です。別に回し者ではないのですが。(^^;

平成28年度 大阪市一般会計補正予算 減額修正 趣旨説明 | 自由民主党 大阪市会議員団


が、これも維新、公明の反対で否決。

それから、もう1点良かったのが、反対討論の 自民・山本長助 市議。

「いったい誰のために市政をおこなっているか、また、なんのために施設をたてるか、怒りすらおぼえる」と語気を強く語っていました。

そーやそーや、ゆーたってくれ!

危機事象に行政が責任をとらない、市民の命を軽んじる独法化。
地域住民を無視したやり方。
エボラ対応をめぐる吉村市長と松井知事の不一致。
これから問題は必ず噴出します。


以下、山本議員の反対討論を全文紹介します。


可決された議案のおさらい。

・議案第186号 平成28年度大阪市一般会計補正予算(第2回)
・議案第204号 地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所に係る中期目標の制定について
・議案第205号 地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所に承継させる財産について
・議案第206号 地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所の重要な財産を定める協議について

討論内容は、こちらの「知ろう!考えよう!大阪の未来。」さんがアップされている動画から起こしました。

 

 

研究所独法化には反対。自民・山本長助 市議の討論 文字起こし 

(動画の36:41から48:25まで)
山本 長助 市議(自民)
自由民主党市会議員団を代表し、186号補正の修正に賛成、原案、204,206号に反対の立場から討論します。
わが会派は、そもそも大阪市立環境科学研究所と府立公衆衛生研究所の統合独法化に反対である。統合独法化を前提とした新しい施設を作る基本構想の策定にかかる経費を削除する補正予算の修正案に賛成する。以下、その中身について述べる。

昨今、グローバル化が進み、大きく変わろうとしている。東京オリンピックなど大きなイベントも行われ、海外からの観光客も大きく増える。感染症のリスク、健康危機管理の重要度が増しており、食の安全への関心の高まりがある。これら感染症や食品に関し、衛生分野を管轄する保健所を持つ政令市の責務は非常に需要である。

ひとたび新型インフルが出れば、感染源の特定・拡大防止のため迅速かつ正確に対応しなければならない。公権力行使の基盤となる検査を環境科学研究所が行い、公権力の行使を保健所が行うことで、市政の衛生分野を担ってきた。

環境科学研究所の役割は、環境、衛生行政の権力行政の裏付けを担うことで、市民の安全と安心を築いてきた。それは、警察に科捜研があるように、権力行政と一体化したものである。ご存知の通り、全国には80を超える地方衛生研究所があり、全て自治体の直営で運営されている。

東京都健康安全研究センターにも伺いましたが、東京都もさまざまな機関の独法化を進めてきたが、衛生分野は迷いなく直営だと説明を受けました。理由は同じく公権力行使の裏付けとなる検査を行うからで、これは東京都だけではなく、横浜市、福岡市、北海道なども同じ理由で、独法化を検討したが直営で運営すると決断している。

公権力行使の科学的役割や、施策と密接な関係をになう政策的役割から、直営であるべきとの判断になるわけで、当然の帰結と言える。本来独法化は公的関与や統制を極力排除し、効率的な運営を行うことに重点が置かれた組織である。
法的に可能であっても、それが機能強化につながるとは全く別の問題で、ましてや、直営以外の機能強化などあるはずがないことは明白である。

また、京都市に伺ったが、京都府保健環境研究所と、京都市衛生環境研究所は、効率的な運営や、危機事象発生時の対応力強化のため、施設を整備し、1つの建物の中に両研究所がそれぞれ入り、連携を進める計画が進められている。当然、施設が統合されても、組織は統合しないでそれぞれ直営で、独法化されていない。
府と市のそれぞれの役割がちがい、公権力行使を伴うことから、その責任と権限を明確にするためであり、京都市と京都府が、それぞれの弱み強みを理解し、食品、感染症、薬品、それぞれの分野を連携させ、最小のコストで最大の効果をあげるよう考え抜いた結果である。

残念ながら、大阪市においては、環境分野だけが直営、衛生分野が独法、そして別の場所に設置するなど、強みを弱みにするような統合となっている。全くバラバラで、市民にとっては、コスト面、機能面、どれをとっても明らかなデメリットである。

健康危機事象発生時の対応についても、中期目標に示されているが、市長からは「危機事象ごとに市長と知事が話し合う」ということであった。危機管理においては、市長、知事の指揮命令系統はきっちり決めておかないと行動が遅れ、新たなリスクにつながる。市長と知事の判断が異なる場合や重なる場合、市長は市長の責任、知事は知事の責任を果たそうとするわけで、指揮系統がバラバラでは、統合後の新法人が責任をもって迅速対応を行うことはおろか、機能強化を図れるとは到底考えられず、逆に機能低下を引き起こすことは明らかである。
危機管理上、組織自体に致命的な欠陥があるといわざるをえない。

国においては、パンデミック等に備え、この4月に感染症法が改定され、知事と市長の権限と責任を明確化しました。申し上げた通り、直営以外の機能強化はありえない。ここでははっきりと、独法化に関しては反対と申し上げる。

また、移転にかかる新研究所のコストは、100億円の施設一元化で、しかも大阪市がせっぱんで50億円以上を拠出する予定と聞いている。
現在、環境科学研究所は、維持管理のコストが約3億円/年。3億円で環科研は270万人大阪市民の命と健康をまもっている。非常に合理化された施設と言える。50億円以上かけるよりも、現在の環境科学研究所に1-2億プラスするだけで機器設備の拡充が可能となり、大幅な機能強化につながる。
府にとっては、市が機能強化すれば、大阪府全体の機能強化につなげていくことが可能となり、府全体の役割を果たすことになる。費用対効果かんがえても新たな施設は必要ない。

最後に、松井知事は今年の6月の府議会で、BSL4(P4)にも対応する施設を大阪にもつくりたいと言及された。そのために新しく予定地とされる東成区では、住民からの反対の陳情書が出されるなど、大きな問題に発展している。いま、エボラや天然痘に対応できるBSL4施設は、東京の東村山市に国立感染研がありますが、あまりにも扱う菌やウイルスが危険であるため、地元住民の反対で施設があっても稼働できない状況であった。それくらいデリケートな問題であり、地元住民からの反対は至極当然である。
そもそも、大阪府の担当者が8月29日に住民説明を開催し、「施設統合を行う、いくつかの候補地がある」と説明をしておきながら、その2日後には、「大阪市、大阪府とも東成に統合施設を建設することを決めた」と新聞記事が出るなど、あまりにも住民への説明・対応が不十分で、完全に地域住民の感情や生活を無視した手順で進められている。
いったい誰のために市政をおこなっているか、また、なんのために施設をたてるか、怒りすらおぼえる。
知事の腹のうちに、都心部にBSL4(P4)という危険性のある研究所を立てる思惑があるなら、本来、相当な配慮が必要である。陳情書にもあるように、東成の当該地域の皆さんは、30年にわたってBSL3施設を受忍してきた経過がある。住民からは「嫌悪施設」とまで指摘されている。大阪府には、大阪府民に等しくこの施設を受け入れてもらえるように、候補地を検討し、説得する努力の責務がある。
以前、地元住民の生活を顧みず、オスプレイを八尾市にもっていくとまで発言していた知事であり、再検討するよう市長からも言ってほしい。
場当たり的、市民の感情を無視する議案である。こんなことでは大阪市民と大阪で活躍するみなさんの命と健康を守ることは到底できない。あらためて統合独法化に反対と申し上げる。
市民の命と健康を守る環境科学研究所の重要性をお考えになり、議員各位の良識と正しいご判断をお願いする。186号修正に賛成し、原案及び204ないし206に反対の討論とする。

===

研究所とは違いますが、同じ「都構想」関連議案として、
この本会議では、港湾局の府市連携協定(府市港湾委員会設置などは採決なし)が維新と公明で可決。
市工研と産技研の統合が7つの附帯決議(

大阪市 大阪市会 平成28年議案第209号・議案第210号に対する附帯決議

)をつけて維新、自民、公明、いくのの賛成で可決されています。