都構想で1兆円超の節減効果 あるわけないやろ シリーズその3
7月11日に大阪市と府によって公表された、「都構想の1兆円の節減効果」の試算の結果報告書「大都市制度(総合区設置及び特別区設置)の経済効果に関する調査検討業務委託報告書」(全108ページ)(以下「報告書」という)、
この業務委託は、入札ではなく、公募型プロポーザルという、提案内容を採点し、合計点が高い者に発注する方式。(契約形態としては随意契約。)
第一回目の公募が、応募ゼロだったのは、シリーズ第1回でお伝えしたところですが、
今回の再公募では、みごと採用された「嘉悦大学」と、もう1者「みずほ総合研究所」が応募したんですね。
2者しかいないので、誰がどんなQAしてたかとか、採点結果が誰が誰か、わかりやすいんです。
提案書提出前のQAが・・・
「(大学の実績は少ないため)教員の実績を記述でよいでしょうか」
「実施主体:業績の著者等(でよいでしょうか)」
笑
だめでしょう。
「実施主体」さえ大学でなくてもいいですか?って、大学側、けっこう引いてますやん。。。
笑
いやいや、絶対公表されますって。
(もう1者のみずほ総研は、同様の公募はやり慣れてて、そんな質問するわけないから、大学側の質問ですね。)
大学側、明らかに引いてますやん。
「教員」って誰なんでしょうね、それは公募のとき提出された実績資料に入ってますが、HP公表まではされてません。情報公開請求したら出てきますね。。。
(なお、上記画像のQAは大阪市HPで公開されています。このリンクの一番下。)
大阪市:大都市制度(総合区設置及び特別区設置)の経済効果に関する調査検討業務委託
当会は、その教員は「嘉悦大学付属経営経済研究所 所長 真鍋雅史」ではないかなぁと予測します!
なぜなら真鍋雅史さんは、2014(平成26)年1月、まだ橋下市長のころ、以下の会議で有識者として、報告書と同じような、「大阪都構想の意義」を語っていらっしゃるからです!
===真鍋氏「大阪都構想の意義」からの引用===
(3)大阪都構想の都市競争力強化を通じた経済効果
○特別区の経済効果
・行政効率化による財源効果(900 億円/年)→経済効果(4000 億円程度/年)の可能性
仮に全てを設備投資減税の財源として活用したとすれば、 3~5 倍の額の設備投資を誘発
→大阪GRPの 1%程度に相当
===引用ここまで===
大阪府/第2回 大阪府知事・大阪市長による府市再編に関する有識者ヒアリング(1月10日)について
なお、真鍋さんは、大阪市特別顧問の高橋洋一氏(嘉悦大学)とお仲間であり、竹中平蔵さんとも共同で本も書いている方です。
いやー、『アベノミクス・都構想 御用達学者相関図』を作りたくなってきますね。
提案書の採点結果が・・・
A社が嘉悦大学、B者がみずほ総研ですよね。
とくに嘉悦大学(のある教員)が「業務の理解度」で、差をつけていました。
真鍋雅史さんは上述のとおり「都構想の経済効果」説の生みの親なので、そりゃ理解度は高いでしょうね。
そもそもみずほ総研も、2者での競争にしないとアレだからと頼み込まれて、負ける気で公募しただけですしね。
以上、報告書の内容とは違う、ゲスの勘繰りでした。
なお、まだこのシリーズで、報告書の経済効果の章への記事を作れていないのですが、内容的に記事にまとめるのに数日中とはいかなさそうです。
少なくとも、経済効果の試算、「マクロ計量経済モデル」なんてうたってますが、その仮定(世界観)の時点で終わってて、
『大阪府知事と大阪市長の意見調整の必要性がなくなれば、「生産力」の指数が東京と同じになる』という仮定で1兆円の経済効果をひねり出してるんで、
アホかいなとしか言いようがない、というのは確かです。
ただ、アホかいなだけではおもしろくなくて、じゃあ、私たちが、どんな大阪市・大阪府を、どんな生き方を望むのか、違う世界観を提案しないといけないと考えています。
当会に限らず、いろんな方々、特に学識の方々の報告書への批判も出ているようなので、そういったものも紹介していければと思っています。
【QAとか採点とか何?という人のために。プロポーザル公募の流れは、以下。】
公開(3月30日)・質問受付
↓
質問回答(4月11日HP公表)
↓
提案書受付締め切り(4月20日)
↓
選定委員会(4月25日)
↓
受注者決定・契約(契約期間は6月29日まで)