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環科研・公衛研まもれ@大阪

橋下維新の大阪市解体(都構想)は許せない!大阪市立 環境科学研究所(環科研)、大阪府立 公衆衛生研究所(公衛研)の統合 · 独法化、反対。メール dokuhou.hantai@gmail.com ツイッター @dokuhou_hantai

環科研の環境部門の廃止・引き揚げは、大阪市が公害対応から手を引くことを意味する

本質論

タイトルどおり、環科研の環境部門の廃止・引き揚げは、大阪市が公害対応から手を引くことを意味します。絶対やるべきではありません。

以下、まっとうな議員の意見として、4カ月前の大阪市議会(2015(H27).10.2)での、公明党の山田正和議員の討論を引用します。
大阪維新の統合・独法化案を批判した上で、「今後のあるべき姿」を展開されています。

↓公明・山田市議の議会での討論↓
今後のあるべき姿としても、市民の健康にかかわる身近な課題は保健と健康分野、両方にまたがることも多く、例えばアレルギーの問題では大気環境、食生活、日常生活でのさまざまな化学物質暴露などいろんな要因が絡んでおり、個別専門分野のアプローチでは実態の解明はできないということで、これらの課題を総合的に対応することが基礎自治体の研究所に求められる機能でもあります。環科研は衛生研究所と環境研究所の機能をあわせ持つことが強みということになっておりまして、研究分野の機能を切り離すことなく衛生分野と一体となって対応していく機能を維持し、充実させる必要があります。
 ↑討論の引用ここまで↑

(討論の全体は、この記事(議会質問・答弁まとめ)の後半に掲載しています。非常に知識をもって維新の統合独法化案を批判されているので、ご一読を。http://dokuhou-hantai.hatenablog.com/entry/2016/01/11/034631

公明・山田市議の言うとおりだと思います。

すでに都市部でのアレルギーの子どもは増えていると言われていますし、花粉症も花粉だけ見ていては解決しません。全国的に心配されている放射性物質の影響も、科学的な研究が待たれます。

またアスベスト(石綿)問題では、大阪市のような都市域では、これからが本番を迎えます。
というのも、戦後以降の、建材にアスベストを含んだビルが、一気に老朽化を迎えており、そういった建物の解体のピークが12年後の2028年(平成40年)とされています。
今、どんどん、どんどん、解体量が増えています。

現在でも、解体工事のときに、アスベストの飛散防止や、作業員への曝露を防ぐための法規制はありますが、不十分で、アスベストが飛散する事例があとを絶ちません。
建材にアスベストが含まれているかどうかの事前調査が不十分であったり、工事の依頼主が安上がりを求める結果、工事者がコスト面で十分な対応を取らない、などの問題が国によっても指摘され、大気汚染防止法の改正もなされました。

アスベストは目には見えません、臭いもありません。
クボタショックにみられるように、従業員をはじめ、洗濯機で作業着を洗い続けた家族、工場周辺住民が、知らず知らずのうちにアスベストに曝され、10年から数10年後に肺がんなどを発症しました。

今後、老朽建築物の解体量が増えアスベスト飛散のリスクが課題だと環境省が言っている中です。
「アスベストの飛散防止」や公害対策はコストであり、お金儲けに直結しないため、それがしっかりなされるのには、行政の関与が不可欠です。
自治体が無策でいてはなりません。特に、貧しい方や子どもは住む地域を選ぶことはできませんので、社会が、行政が守ってあげなければいけないのです。

アスベストの曝露を防ぐには、正しい検査分析、実態把握、それへの対策、といった一連の科学が求められます。
それらは正しいことに加えて、コスト的に実現可能なものでなければいけませんので、行政機関あげて常に改良していくことも必要でしょう。
それらには自治体の強い意志が必要です。
そして、強い意志の源泉は、熱意のある研究員や職員にあります。

細かなことですが、最近の一例を挙げます。
建材中のアスベスト分析の公定法(JIS A1481)が、2年ほど前に、日本作業環境測定協会によって作られましたが、その公定法に問題というか誤りがありました。
環科研は、これにすぐに気付いて意見をしてきました。2年はかかりましたが、春にも誤りは正されるようです。

建材中のアスベスト分析は、ビルの解体前に、アスベストが含まれているかどうかの白黒をつける非常に大事な検査ですので、細かいようで大きな問題です。

環科研がこれを指摘できたのは、分析法の科学的な背景を理解し、かつ、営利目的でない試験・検査を実施する公的な機関であったからと言えます。

指摘をすること自体、民間企業からは難しいという面もあります。
公定法を作った協会は、分析機関の分析技量に応じて認証(「Aランク、Bランク」などのランク)を付与する機関でもあるため、認証を受ける側の企業が意見をするのははばかる、といった心理はどうしても働きます。

具体的に書こうとすると細かいことなのですが、こういったことの膨大な積み上げで公害対策は成り立ち、人々の健康を守ることにつながっています。

アレルギー問題に集約されるように、人間の体は複雑に出来ているので、汚染物質や化学物質の複合で生じる健康影響を解明していくには、疫学調査で15年はかかると言われています。
公害対策は、長期的で膨大な知見が必要な分野なのです。

大阪維新の統合・独法化の議論では、そういった攻めの姿勢での公害対策への熱意は全く語られず、「不必要なものもある」「流動研究員でできる」などネガティブな根拠のないレッテルばかり。いっぽうで抽象的な「機能強化」の言葉だけ繰り返して、そのじつ、議員や特別顧問はリストラ計画を立てています。

大阪維新は、環境部門の廃止への批判をかわすために、「環科研の環境部門は直営で引き揚げも検討」としていますが、実際に、大阪市の内部で検討していることは、「民間委託」、ばかりです。(PM2.5の成分分析、ダイオキシン、アスベスト環境調査、などなど。)
それも当然ですよね。直営で担える専門的な職員は、市の環境局にはいないのですから。
こんなの、どこが「直営で引き揚げ」なのですか?

もう数年も、ウソで不毛でリストラな「統合・独法化」を維新が言い続けていることで、研究員は全く増えないし、それどころか、キャリア人材の流出が起きています。来年度も他自治体の研究機関に転職せざるを得ない職員が出ると聞いています。

このブログで記事にしてきたように、大阪維新の井戸議員や上山特別顧問自身が、リストラ発言・リストラ計画を出されてきました。

また、大阪府の環境部門(環境農林水産総合研究所)は、4年前に独法化されてしまっており、そこでプロパー採用される職員は原則として契約社員です。
本採用は数年かかり、再試験を通った人だけなので、そこでも人材は流失しやすく、若い方々も契約社員の身分では1つの研究に執念を燃やしにくいでしょう。
運営交付金も、第二期中期計画で人件費を含めて削減されました。

もう、結果は現実として出ているではないですか。
大阪維新案で環境部門を廃止・引き揚げするということは、環境行政を手放すことにしかなりません。
数年の後退を取りもどすためにも、一刻も早く、この案件は否決して、終わらせてください。
心ある議員のみなさん、どうかよろしくお願いします。