環科研・公衛研まもれ@大阪

橋下維新の大阪市解体(都構想)は許せない!大阪市立 環境科学研究所(環科研)、大阪府立 公衆衛生研究所(公衛研)の統合 · 独法化、反対。メール dokuhou.hantai@gmail.com ツイッター @dokuhou_hantai

大阪維新・井戸まさとし市議の印象操作・すりかえ・デマまとめ

大阪維新・井戸まさとし市議は、環科研・公衛研の統合・独法化をごりおすために、議会やツイッターで、印象操作・すりかえ・デマなど悪質な発言を続けています。(他の件でもそうですが、ひどいもんです。)

以下、4点にわけて、井戸議員のねらいを明らかにしつつ、彼のウソを反証します。

(その1) 井戸議員は、環科研・公衛研の統合・独法化で、本当にやりたいのは、機能リストラ・非公務員化(だけ)。

(その2)井戸議員、「独法化はいろんな機関がやってる」と印象操作→痛いところをつかれるとすり替えて逃げる

(その3)井戸議員、「日本最大の食中毒事件の原因もまともに追究できなかった」とデマを流す
(その4)井戸議員、研究所の「公権力行使」の本質でないものをもち出し矮小化

 

まったくデマを流す議員など府民への裏切りであり、最低です。

これを読んだみなさんは、統合・独法反対を自信をもって主張できると信じます。

井戸議員、私のツイッターアカウントにもコメントしてきてましたが、反駁があるなら、どうぞ。もうデマはやめてな。 

 

(その1) 井戸議員は、環科研・公衛研の統合・独法化で、本当にやりたいのは、機能リストラ・非公務員化(だけ)。

 

ここをふまえないと、井戸議員(大阪維新)のねらいが見えてこないと思います。

上山信一特別顧問が秘密裏にリストラ計画を指示してきた経過については以下のブログ記事でまとめました。

上山信一・大阪府市特別顧問から引用リツイートありました。それに対する公開質問です。 - 環科研・公衛研守れ@大阪

 井戸議員はどうでしょうか? 以下のように、2013年(H25)2月22日の大阪市議会で、井戸議員は環科研の検査の「リストラ」、常勤職員の削減を要求しています。

―――

◆井戸正利委員 先ほど、特別参与が出されていた資料で、感染症の検査が今後も必要というような意味でしょうか、丸がついたところに分類されておりますけれども、今、行っているものが一律に全部必要かについては精査する必要があると私は思います。すなわち、法令などに基づき地方衛生研究所が必ずすべきもの、ウイルスの詳細な遺伝子解析など、公の研究所でないと通常はなかなか困難であろうものがある一方で、民間の検査を活用してできるものも多くあると思います。昔は、地方衛生研究所でしかできなかったような感染症の検査でも、どんどん技術が進歩し、一部はもう保険適用になっていて、民間で普及しております。4カ所の府の保健所と大阪市保健所で行っている結核菌やO-157などの感染症の検査についても、全くもって同様であると考えております。内部の議論だといろいろな理由をつけて職員を残そうとしがちなことが、上山特別顧問からも指摘されているとおりであります。 それとともに、研究員は、流動的であるほうがより先駆的なものに素早く取り組めると思います。すなわち、任期つきの研究員を多くすべきであると考えます 現在の検査などの内容や件数、あるいは大学や市との研究の役割分担を考慮すれば、必要な分野に重点化・集中化することで、組織の活性化とともにスリム化も可能と考えています。 健康危機事象、例えば新型の感染症や大規模食中毒が起こった場合、地方衛生研究所がお互いに協力する協定もあり、現状の定例的な業務を行うために常勤の研究員を多く確保しておく必要はないと思っております。

◎橋下市長 これまでやってきたことを漫然とそのまま2つに合わせても全く意味がありませんので、要らないものは省いて、必要なものはより強化していく。さらにその職員の雇用形態も非公務員型の地方独立行政法人にしますので、雇用形態もこの公務員組織のような、硬直化したようなそういう組織マネジメントにならないように、そういう組織を目指していくということを考えております。

―――

↑議会議事録の引用は以上↑

 

このように、まず、統合独法化の出だしの発想が「リストラ」なんですね。後になって、それが議会などで問題視されて、その後、大阪維新の議員や上山氏は、「機能強化で人員倍増」など180度違う発言に切り替えていくわけですがウソにすぎません(後述)。彼らの本質やねらいは何も変わりません。

 

(その2)井戸議員、「独法化はいろんな機関がやってる」と印象操作⇒痛いところをつかれるとすり替えて逃げる

1月31日のツイッターより。

(井戸まさとし)なお国立環境科学研究所は既に独立行政法人化されています、多くの国の環境施策の企画立案のための研究をしっかりやっています。あと大阪府と大阪市で環境部門の研究施設はありますが、大気や水などの流れにも食中毒や感染症と同様府と市の間に壁があるわけではない。

(私)議会でも言ってましたけど、「衛生研究所」は一つも独法ないのはご存知のはず。わかってて、ズレたこと言わないでください。

(井戸まさとし)たしかに衛生研究所は今は1つもない、だから大阪発で現政権にも協力してもらい衛生研究所を独法化するのです、禁止する法律はない、あなたの示した報告書等を元に厚生労働省も躍起になって守ろうとしていますがね。

―――

↑ツイッターの引用は以上↑

これ、わかりやすいすり替えですよね。ここの「だから」って接続詞、おかしいでしょ。あなた、もともと、「いろんな機関が独法化されている、だから、独法化しても大丈夫」って理屈だったんでしょ。

指摘されて次の瞬間には、「同じ機関は1つも独法化されていない、だから、独法化するのです。」にすりかわっとるやん。

こういう屁理屈癖があるんでしょうね。

 

ちなみに井戸議員が「国立環境科学研究所」といっているのは「国立環境研究所」のことです。「同じ名前(=同じ機関)で独法化されている機関がある」という印象操作のためだったのかどうかは、定かではありません。

 

あと、上の井戸議員の発言、姑息なすりかえだけではなくて、「禁止する法律はない」まで言い放っていることは大問題です。

「禁止する法律」がなかったら何でもやっていいんですか?

国は、国立感染症研究所については独法化しないと以下のように明言しています。

―――

■秋葉・厚生労働副大臣答弁(2013(H25)年5月9日) 「国立感染症研究所は、重篤な感染症が発生した場合の診断、あるいは治療や検査の方法などの開発、疫学調査を行うなど、国の重大な危機管理に直結する業務を行っておりますことから、独法化をしておりません。そもそも平成9年の行財政改革の中で出された答申のなかでもやはり災害の問題、いわゆるこういった国民の生命に関わる分野については、例外規定のような報告書が出ているところでございまして、そういった取り組みをしている」(第183回国会 総務委員会)

―――

↑引用は以上↑

「重大な危機管理に直結する業務は独法化しない」。 常識的に考えて、あたりまえのことです。日本に住む人々・子どもたちの命にかかわることだからです。

上記の秋葉副大臣の答弁に出てくる「平成9年の行財政改革の中で出された答申」とは、以下の報告のことで、はっきり、重大な危機管理に直結する業務は、独法化してはならないとあります。

―――

<行政改革会議最終報告(平成9年12月3日)(2) 独立行政法人の創設>  (注)国が自ら主体となって直接実施しなければならない事務・事業 ○私人の権利義務に直接かつ強度の制限等を及ぼす公権力の行使に当たる事務・事業 ○その性質上、国が自らの名において行うのでなければ成立しない事務・事業 ○災害等国の重大な危機管理に直結し、直接国の責任において実施することが必要な事務・事業

―――

↑引用は以上↑

実際、「国立感染研」は、「地衛研」からの情報が不可欠です。国立感染研も地衛研も、重大な危機管理に直結する業務で、独法化してはならないというのが常識です。 これを大阪の単独判断で、やめてしまうというのが今回の統合・独法化なのです。


(その3)井戸議員、「日本最大の食中毒事件の原因もまともに追究できなかった」とデマを流す

1月31日のツイッターより。
ーーー

(井戸まさとし)研究所や病院はしっかりと統合していきますよ、日本最大の食中毒事件の原因もまともに追究できなかったのですから。

(井戸まさとし)あと衛生研究所の所長さん方が書いたような研究所のあり方研究の報告書では身内を守るための研究でお話になりませんから、御用雑誌には論文も掲載されるでしょう。個人的に知ってますが元厚生労働省の人も沢山いますね、地方衛生研究所は立派な天下り先の1つです。

―――

↑ツイッターの引用は以上↑

 

よくもここまでデマが流せるものですね。ふざけるなと言いたい。

おそらく、2015年(H27)2月18日の議会で取り上げられている「雪印乳業食中毒事件」のことと思われますが、本当の事実はこうです。

 

当時、環科研に検体が集中する中で、公衛研も原因究明にあたりました。そして、全国で初めてとなる新しい検査方法を開発し、食中毒の原因毒素(エンテロトキシンA)を特定し、原因食品の特定が可能になりました。

 

・・・この経過のどこが「まともに追究できなかった」のか?

むしろ、まともに追究できた事例ですよ。完全に逆のこと言っとるやないか!

追究にあたられた方々への冒涜ですよね。

 

なにより、これはむしろ、地衛研を独法化してはならないことがわかる事例なのです。

 

事件の経過についてはこちら 雪印乳業食中毒事件の原因究明調査結果について http://www.mhlw.go.jp/topics/0012/tp1220-2.html

公衛研が開発した検査方法についてはこちら http://www.iph.pref.osaka.jp/news/vol12/eiknews12.html

 

要約すると、雪印乳業食中毒事件の場合、通常の事例と異なり、検体に含まれている毒素のエンテロトキシンが、日本で広く利用されている方法では検出できないほど低濃度であったため、公衛研でその毒素を濃縮する方法を急きょ開発して、低脂肪乳が原因食品だと突き止めることができた、ということです。

このような迅速な対応は、公衛研の研究員が、技術を蓄積してきたことなしには不可能です。

当時、研究員は、重大なプレッシャーの中で、おそらくふらふらになりながら検査、研究にあたってきたはずです。それをデマによって「追究できなかった」などとおとしめ、政治利用するのは議員失格でしょう。

 

次に、井戸議員の2015年(H27)2月18日の議事録から抜粋しますが、「まともに追究できなかった」とはどの事実を指しているのか、井戸議員は見解を出せ。

――― 

◆井戸正利委員 実は、大阪市は過去に非常に苦い経験をしているのであります。潜伏期の短いブドウ球菌などの場合の大規模食中毒は通常は見逃されないと思われるのでありますが、実は2000年6月27日に、これは発生届ですけれども、我が都島区にありました工場が原因で起こった患者数1万人を超える事件、覚えておられますよね。大阪府内のみならず兵庫や和歌山に広がった大事件があります。これは、環境科学研究所等は関係ありませんが、まず初動に失敗しまして、公表や回収が遅いなどで大混乱があったようであります。約2週間後の7月11日に民生保健委員協議会が開催されまして、検査体制のネットワークなども議論されていました。最初にブドウ球菌であるのをPCRで検出したのは和歌山市と聞いております。  ここで一つお聞きしますが、7月2日でしたか、営業禁止処分の根拠となったのは、どこが行ったどういう検査に基づいてでしょうか、お答えください。よろしくお願いします。

◎西谷健康局環境科学研究所調査研究課長 お答えいたします。

 7月2日に府下の試料を検査していた大阪府立公衆衛生研究所が、黄色ブドウ球菌の毒素エンテロトキシンAを検出しました。本市としましては、既に6月29日に本件の公表、6月30日に当該品の回収命令を出しておりましたが、この検査結果を受けて対策本部会議での検討の結果、大阪工場に対して営業禁止の命令を行いました。翌日の7月3日には、市内の試料を検査していた環境科学研究所が黄色ブドウ球菌の毒素エンテロトキシンAを検出しました。

 なお、この件に関する両研究所の総検体数は、公衆衛生研究所が府下の試料数十件程度、環境科学研究所は市内の試料700件程度であり、環境科学研究所に大量の検査が集中する状況にありました。以上です。

◆井戸正利委員 市立の環境科学研究所は、たくさんの検体が運び込まれて恐らく大混乱していたのだと思います。さらに、優秀な研究者には次々と電話もかかってくるので、原因施設の調査にも関与しないといけないでしょうし、また、先ほど言われて運び込まれた恐らく食品あるいは便、吐物など、こういったものをたくさん検査しないといけないのであります。  なお、この委員協議会の後の8月18日には、原料に使用された実は北海道の工場が原因でして、北海道の工場が製造した脱脂粉乳からエンテロトキシンAを大阪府警の鑑定依頼を受けた府立公衆衛生研究所が検出して、製造中の北海道の工場の停電でブドウ球菌が増殖して毒素を産生したのが問題であったと、やっと事件の真相が解明されたわけであります。  私も実は大阪府の保健所で患者数で100人を超えるような食中毒事件を何度も経験しておりますが、府の公衆衛生研究所でもやっぱり最初に狙いを定めて幾つか検査をして、もちろん並行してやるわけですけれども、外れだったので次のを重点的に調べる。それでやっと原因菌が見つかったということもあったと思います。最初から何種類も並行してたくさん検査をしてくれよと言ったのを何回か覚えております。  いずれにせよ、大規模食中毒が起こったときの地方の衛生研究所はどこも大変でありまして、現場は大混乱するのであります。したがって、スケールメリットとして、多くの対応ができる大きな研究所のほうがよいのであります。

 一方で、微量な毒素の検査、エンテロトキシンというのは物すごく微量なものですので、研究者独自にいろいろ工夫して日々努力をされていると思いますが、多くの研究者がいるほど、検査法の日々の発展も、また危機発生時の迅速な対応も期待できるのであります。議事録では、府立の公衆衛生研究所と相談しながら毒素の検査をやったが、結果的に府が発表した翌日に環境科学研究所でも検出されたことが答弁されていたようであります。一緒にやればもっと早くできただろうと思いますし、また、その後の原因追求ももっと早かった可能性があります。

―――

↑引用は以上↑


井戸議員は、大阪市の失敗事例のように言っていますが、本人の説明の中でも言える事実は、「環科研の職員体制がキャパオーバーであった」というだけです。

また、むしろ2つの研究所が連携して、迅速な対応をされたと言える事例です。

何をどうしたら、「まともに追究できなかった」と言えるんでしょうか。ましてや、統合し、独法化する理由になるんでしょうか。

井戸議員が主張している結論は、「統合したらスケールメリットがあるので、より迅速な対応が可能になるかもしれない」ということです。

今回の統合案では、施設の統合もなく、職員が増えるわけでもなく、スケールメリットはありません。維新は、統合効果を1+1=3になるかのような機能強化の宣伝をしますが、リストラ計画を隠してそのような宣伝をしているため、業務の保障ないどころか、ほぼ確実にリストラされます。(以下のブログ記事にも書きました。)

大阪市議会(10月2日)ーー大阪市と維新会派のウソ - 環科研・公衛研守れ@大阪

 

一貫して、デマで「失敗事例」かのように印象操作を行いつつ、「機能強化」とウソをついて統合をごりおし、狙いは検査のリストラ、なんですね、井戸議員(大阪維新)は。

こんな姿勢は何より府民を冒涜するものです。ウソを使うな。

(その4)井戸議員、研究所の「公権力行使」の本質でないものをもち出し矮小化

2015年(H27)2月18日の議事録(以下)では、井戸議員は、感染症の事例を出して、地方衛生研究所が直営でなくてよいとしています。

―――

井戸議員:(О-157と結核について)医療機関での検査による医師の届け出に基づいて公権力行使を行っているのでありまして、それは当然、民間病院や民間の検査機関で出された結果に基づいているのが圧倒的に多い。

―――

↑引用は以上↑

これも、意図的な矮小化です。とことんですね、この人。

井戸議員は、「例えば、今すでに、民間病院の検査結果を、O-157が検査で出た飲食店の従業員を就業禁止にするなど、公権力行使に使っているのだから、環科研が民営化・独法化しても、大丈夫」と言いたいようです。

しかし、感染症対策における「公権力の行使」の最大の目的は、感染の拡大防止です。症状がまだ出ていない接触者(患者の家族とか生活範囲にいた人たち。症状のない病原性細菌やウイルスの保有疑いがある。)について、ある意味強制的に検査を受けさせ、封じ込めをしていくことが大きいものです。保健所は、「積極的疫学調査」と呼んでいます。

病院等で封じ込めのための検査対応は現実として出来ておらず、現実に、環科研・公衛研(地衛研)が担っています。

また、病院では検査できる種類はごく一部に限られています。

井戸議員は、あくまで「平常時のO-157感染なら可能かな」レベルの、「公権力の行使」の本質ではない事例をもち出して、現場を知っているかのようにふるまっているのですが、全くの矮小化であり、机上の空論です。

緊急時の対応をまじめに考えない姿が、この発言からもあらわになっています。

 

井戸議員が現場を知らないのは構わないです。大多数の人がそうですし。

ただ、井戸議員の問題は、自分が知らないことに謙虚になる姿勢が全くなく、自分は知っていると思い込んでふんぞり返り、意見を全く聞かない(どころかデマまで流す)ことです。

このような大阪維新の姿勢は、社会の破綻さえもたらす極めて危険なものです。

 

また、井戸議員は、他の議員が「横浜市の独法化はなじまないとの検討結果」について取り上げると、次のように言いました。(2015年(H27年)2月18日)

―――

井戸議員:前回の議論で独法化は公権力行使になじまないと横浜市の事例をもとにおっしゃっておられた会派があったと思いますが、実はその理論は、いつも民営化や民間委託に反対されていた大阪府の労働組合さんから何度も私も聞かされてきたお話でございます。

―――

↑引用は以上↑

 

なにが「実は」だよ。

横浜市が2年かけて検討した内容を、「労働組合から聞かされてきた理論」とレッテル張りしているだけで、自分たちはたった3か月で、なんの検討もせずに独法化を決めているのです。何も勉強せず、恐ろしいことに手を染めようとしている。

市民の命や安全にかかわることであり、レッテル張りではなく、謙虚に現場や専門家の意見を聞け!

 

大阪市会の議員のみなさん。以上のような長年積み重ねてきた、研究員の蓄積は、失ってしまえばすぐに回復はできません。大阪維新が統合独法案で何を民間委託しようとしているのか、リストラしようとしているのか、明らかにしていただきたいと思います。